てょログ

10versLible

映画、アニメ、漫画、音楽などの雑記。ファーストインプレッションを大切に。

『チェンソーマン』のページをめくる手がチェンソーの如く止まらない

チェンソーマン 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)

チェンソーマン』が面白い。藤本タツキ先生原作の本作は週刊少年ジャンプで連載中で、「このマンガがすごい!2020」オトコ編4位に選ばれるなど今勢いのある作品だ。

 

タイトルは度々目にしていたこともあり、ふと思い立って1巻を手にとってみたわけだが、ページをめくる手が止まらない。バッテリーが切れるまで止めどなく歯を回し続けるチェンソーの如く、現在発売されている単行本6巻までを1日で読み進めてしまった。  

死別した父親の借金にまみれ貧乏生活を送っていた主人公・デンジは、チェンソーの悪魔であるポチタと共にデビルハンターとして生き抜いてきたが、とある事件をきっかけに自らが「チェンソーの悪魔」へと変身する力を手にする。悪魔の力を宿したデンジは公安によって管理される身となり、様々な悪魔と対峙していく。

 

悪魔が世に蔓延る世界を描く本作は、大胆不敵なデンジが周囲の人々に導かれ数々の悪魔とバトルを勃発させながらも少しずつ心の成長を遂げていく、そんなジャンプ連載作品としての本筋を外さない一方で、血にまみれかなりイカれた奴らがのさばるダークな世界観となっている。

 

デンジが戦う相手である悪魔は、そのほとんどが意志を持ち言葉を話すが、人間へ害を為す危険な存在だ。悪魔の源として、何らかモノや生き物、概念が元となって生まれる。そしてそれらは、人間がその名前を恐怖・嫌悪するほど力を増すのだ。

 

例えばデンジは「チェンソーの悪魔」だし、彼のバディーとなるパワーは「血の悪魔」。敵対する悪魔には「コウモリの悪魔」や「ヘビの悪魔」なども登場する。悪魔の元となっているものは、いずれも人々が持つイメージから恐怖感や嫌悪感を抱くものだ。

さらに悪魔は人間の血を補給することで力の増強や傷の修復もでき、人間の死体に憑依して「魔人」となる力を有するなど、危険な存在だ。中でも、現在最も恐れられているのが「銃の悪魔」であり、デンジはその存在を撃ち破るために戦いに身を投じていく。

 

一方で、人間と契約を結ぶ悪魔もいる。デンジの公安の先輩であるアキは「狐の悪魔」や「呪いの悪魔」と契約をすることで、悪魔の力を我がものとして戦っている。その代償は様々で時には自分の肉体の一部や寿命などを差し出すケースもあるが、悪魔に気に入られれば少ない代償で契約ができるなど、なかなかに悪魔界隈の懐の深さも感じるから妙に面白い。

 

そして、本作の大きな魅力のひとつはなんと言ってもキャラクターの造形の良さ。ビジュアルはもちろんのこと、悪魔の力を秘めながらも人間の本質的な部分が際立つキャラクターが多く登場する。それが特に光るのは、やはり作品の色としての役割を担う主人公のデンジだろう。

彼は借金を背負い自らの臓器を売るなど恵まれない境遇にあったものの、その生い立ちもあってか大胆で真っ直ぐな性格の持ち主だ。物語の原動力となる堂々とした立ち振る舞いで、周囲の人々を豪快に巻き込んでいく。

 

貧しい暮らしをしてきたことで幸福の基準は人よりも低く、かつては毎日パンにジャムを塗ったり風呂に入れればいいと願っていたほどなのだ。それが、最凶で最恐の「銃の悪魔」を倒すことを目標として公安に身を置くのだから、その突拍子のなさに読者が強く興味抱くのは当然ではないだろうか。

 

デンジは欲望に正直であるが故に、女性の胸を揉むためやキスをするために意欲をかき立てて命を賭けるような行動もとるのだけれど、これらが単に彼の人物紹介に留まらず、ダークな面を持つ『チェンソーマン』という作品におおよその均衡をもたらすと共に、マキマやパワーら女性キャラクターの魅力を引き出す要因にもなっているのだからとてつもなく上手い構成だ。

 

キャラクターの魅力という点においては、悪魔も例外ではない。本作は悪魔のビジュアルがとにかくカッコ良くて漫画の魅力に直結しているのだ。

次々と起こるバトルではそのスタイリッシュな展開にグッと引き込まれる。ぶつかり合う悪魔の風貌が良いからこそ戦いに迫力があり且つしなやかで、バトル漫画として色気すら感じるのが『チェンソーマン』なのだとハッとさせられる。そして気づけば単行本の最新刊まで読み終わっている始末だ。

 

一気読みしたこともあってか、漫画を閉じた時の興奮は実に悪魔的。豪快で爽快、一度始めると止まらない、まさに悪魔との契約。刺激を欲している方にはおすすめの作品です。

UVERworldの入門編プレイリスト15曲を寝ないで考えてみた

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ここのところ色々なアーティストの音楽に触れてみようと、これまで聴いてこなかった曲を意識的に再生するようにしているんです。

 

選曲については「このアーティストの曲を聴いてみようかな…」と感覚的にチョイスしているだけなのですが、そもそもどの曲から聴けばいいのか分からなくないですか?リリース曲数が多いアーティストだと尚のこと。

 

そんな時に手助けになっているのがサブスクで展開されている入門編プレイリスト。

そのアーティストの代表的な曲やファン人気の強い曲が分かるから、知識がないところからでも入りやすくて頼らせてもらっています。

 

アーティストによってはライブのセットリストがサブスク内で公開されていたりもするので、入門編からセトリという導線で一覧を眺めてみると、ファンに親しまれている曲がよりイメージしやすいのも良い点ですね。

 

そこで、僕のサブスク再生履歴は普段ほとんどUVERworldが占めていることもあって、「彼らの音楽を僕が人に薦めるならばどのようなプレイリストを構成していくのだろうか」とふと考えたわけです。

 

彼らの音楽はその時の最もやりたいメロディーや伝えたいメッセージがこれでもかと投影されています。そこに嘘偽りはなく本気の音楽だから多くの人を魅了して止まないのですが、「今から何を聴けばいいのか分からない」という方々の手助けにもなればと思い、三日三晩寝ずに考えました。

 

曲数についてはキリ良くしたかったものの、1枚のアルバムを何となく開く…と、まずはそんな感覚で触れてほしいということもあったので15曲で設定してみました。

 

リストアップの上で加味したことは以下。

  ・一般的に知名度の高い曲

  ・UVERworldというバンドの歩みを感じられる曲

  ・ライブでセットリストに組み込まれることが多い曲

  ・個人として推したい曲

 

正直、上記の4項目のうちどれか1つでも削除すれば今回のプレイリストは大きく変わると思います。それほど、ある程度の「とっつきやすさ」と「これだけは知ってほしい」というバランスは考慮しました。そして、どうにも15曲に絞り込むことは苦しかったので、あえて入れなかった曲も複数あります。

 

ただ、おすすめされる立場で考えた時に15曲と20曲では受け手としても「手の出しやすさ」に結構差があると思うんですよね。知らない曲をあれこれ聴くのって、案外カロリー使いますから。

 

そんなわけでまずは軽い気持ちで聴いてみて下さい。あなたの琴線に少しでも触れるものがあれば、考えた甲斐があるというものです。

 

 

01. CHANCE!  
CHANCE!

CHANCE!

  • provided courtesy of iTunes

< 叶うはずないあの日の夢が 未だに胸の中瞬くから >

 

インディーズ時代に作られた、バンドの原点とも言える1曲。まさに彼らの始まりの曲であり、1stアルバム『Timeless』の1曲目を飾っています。強く願う思いは届きチャンスに変わるということを歌う、リリースから15年経っても色褪せないメッセージソングです。

 

 

 

02. 7th Trigger 
7th Trigger

7th Trigger

  • provided courtesy of iTunes

< 決断の引き金で 生きてるか生かされているのか分からないような生き方を 撃ち抜こう >

 

空港での雑踏とアナウンスにボーカルTAKUYA∞の口笛から始まるイントロ、そして語尾を繰り返すサビが印象的な、ライブの定番曲。疾走感溢れるメロディーに「リボルバーに込められる銃弾は6発だが、その後に込める銃弾は何か」を問うメッセージを乗せています。二度とはないその瞬間を決意で撃ち抜く熱いロックナンバーです。

 

 

 

03. SHAMROCK  
SHAMROCK

SHAMROCK

  • provided courtesy of iTunes

< 君の言葉が糧になって走り続ける >

 

僕の体感的に、彼らの曲の中で最も知名度の高い1曲ではないかと思っています。初のドラマタイアップとなったことで、より多くの人に知られたのではないでしょうか。そのおかげもあってか、今でもカラオケで人気ですよね。

10代の頃に感じる青春の壁は誰の前にも立ちはだかるけれど、そこに立ち向かう勇気を与えてくれる爽やかな曲。ライブでも特別な時にしかやらないと明言されるほど、バンドにとっても思い入れのある1曲となっています。

 

 

 

04. AS ONE  
AS ONE

AS ONE

  • provided courtesy of iTunes

< 正しさがあるから ダメになるものも この光も闇も愛も AS ONE >

 

現時点での最新シングル。陰と陽、虚と実、善と悪…そんな綺麗事だけでは表せない人間の本質的な部分を抉るような歌詞でダークな世界観になっているものの、アンサンブル含め曲調も明るめなテイストでクセになる曲です。

最新アルバム『UNSER』で彼らの創造する音楽の新たな領域にたどり着いた感覚がありましたが、その先を見据えたような1曲に感じています。

 

 

 

 05. Making it Drive 
Making it Drive

Making it Drive

  • provided courtesy of iTunes

< 大事なものも捨てられるさ さらに大事なものを失わぬため >

 

最新アルバム『UNSER』のリード曲で、今の彼らがやりたい音楽の方向性が感じ取れる1曲です。決してアップテンポではないのですが、次第に心がふつふつと燃えてくるような確かな熱さを帯びています。

「メロディーラインで気持ちを高ぶらせることは出来る。今はそこじゃない部分で聴く人が熱くなれる曲を作りたい。」というバンドとしての想いが詰まっています。

 

 

 

06. PRAYNG RUN  
PRAYING RUN

PRAYING RUN

  • provided courtesy of iTunes

< まだ終わらないでくれって祈るように走って いつか起きる奇跡を信じて >

 

リリースから現在までほとんどのライブで歌われているこの曲は、TAKUYA∞日課にしている「毎日10キロ走る」ことへの想いを歌っています。ただ走っているのではなく、どうすればバンドがより高みに行けるのかを考え、どうか周りの人々が自分達から離れていかないようにと祈りながら走る彼の本気がほとばしる1曲です。

 

 

 

07. ALL ALONE  
ALL ALONE

ALL ALONE

  • provided courtesy of iTunes

< 自由や平等なんて言葉で これ以上導くのなら 答えてみろよ >

 

TAKUYA∞が10代の頃に抱いていた想いが綴られています。滋賀県の幼馴染で結成されたUVERworldです。ミュージシャンになることを夢見る中で滋賀の田舎に生まれたことを嘆いたこともあれば、都会に生まれた人を羨んだこともあると語るTAKUYA∞。生まれ持った格差はどうしたって存在するけれど、自分のやりたいことを貫けば未来を掴めると鼓舞してくれる1曲です。MVも映画のような仕上がりになっていて、楽曲により深みを与えています。

 

 

  

8. 君の好きなうた
君の好きなうた

君の好きなうた

  • provided courtesy of iTunes

< 僕の中で君を思うことが 明日の生きる力に変わってく>

 

『SHAMROCK』の次にリリースされたこともあってか、こちらも多くの人に広く知られている曲ではないでしょうか。どうしようもないほどに恋焦がれる人を物静かに想う至極のバラードです。彼らの作る恋愛バラードは言葉選びが本当に巧妙で同じような境遇の人には刺さりまくって仕方ないのですが、その代表格ともいえる1曲。

 

 

 

9. THE OVER 
THE OVER

THE OVER

  • provided courtesy of iTunes

< 傘をさすかどうか迷う程の雨 思い切りの無さは 僕のようだった >

 

ベストアルバム『ALL TIME BEST』のリリースに際して2018年に行ったファン投票において、応募総数20万票を超える中で1位を獲得したのがこの曲。美しい。とにかく美しい。ふとした日常に感じる瞬間の切り取り方が絶妙で、切なくもその温かさに心震える1曲となっています。MVも儚さが滲んでいて実に素敵で、夫婦や恋人の関係の美しさをじんわりと感じられるナンバー。

TAKUYA∞も「残りの人生で大切な人に対して3曲しか歌えないとしてもきっとこの曲は選ぶだろう」と言うほど、芯の通った強いメッセージが込められています。

 

 

 

10. Roots 
Roots

Roots

  • provided courtesy of iTunes

< いつだって 愛で救われた事実を 人を忘れられないんだ >

 

愛があれば世界は救われる、なんて言えば体はいいですが、この曲は「愛だけでは世界を救えない」というリアルを突き付けながらも「それでもずっと愛を歌い続ける」とありったけの声を込めます。愛で救われるという事実は確かに存在し、人が心を繋ぎ合わせるルーツだと高らかに歌い上げる、この上なく人間らしさに溢れたナンバーとなっています。

 

 

11. 哀しみはきっと
哀しみはきっと

哀しみはきっと

  • provided courtesy of iTunes

< 愛の住む心のど真ん中は 誰にも奪えないから >

 

ミドルテンポで儚げなメロディーの中に確かな希望を内包した、この上なく感動的な1曲。哀しみに襲われたとしても前に進んでいく強さと美しさを刻み付けられたこの曲を聴くと、淀みのない景色が眼前に広がるような感覚が自分の中に駆け巡ります。

 

 

 

12. ODD FUTURE  
ODD FUTURE

ODD FUTURE

  • provided courtesy of iTunes

< 愛も夢も危険なほど簡単に火がついちゃうのさ >

 

現在の彼らが得意とするエレクトロサウンドをがっつりと散りばめられていて、彼らの初期の頃の曲しか知らない人は驚くかもしれません。彼らもCD音源とライブは全く異なるものと考えていて、だからこそ音源では生バンドを排除して音数も減らすことで生まれる隙間で勝負しているのだそう。バンドとして生楽器以外の音を入れることが増えつつある貪欲さが伺える1曲になっていると思います。

  

 

13. CORE PRIDE 
CORE PRIDE

CORE PRIDE

  • provided courtesy of iTunes

< どうしたって 叶わない絵空事だろうが 胸を燃やす火は誰にも消せやしない >

 

バンドとして改めてサックスをフィーチャーしていこうというきっかけになった曲。UVERworldはメジャーデビューするにあたりレーベルからサックスの誠果を正式メンバーとして認められず1人少ない状態でデビューすることを余儀なくされた過去があります。誠果はその後もサポートメンバーとしてバンドに関わりますが、メンバー全員がその悔しさを忘れず何者にも有無を言わせぬ実力をつけて2014年に彼はUVERworldの正式メンバーとなります。6人のかけがえのないシックス・プライドを切なくも激しく歌います。

 

 

14. 7日目の決意  
7日目の決意

7日目の決意

  • provided courtesy of iTunes

< 7日目の夜も 夢を願う時だけは少し強くなれたんだね >

 

TAKUYA∞が見た夢からヒントを経て制作されました。夢で見た自然や聞こえたメロディーがそのまま曲に落とし込まれています。「夏に土から顔を出し寿命が1週間ほどと言われる蝉も、冬を夢見ていたとしたら7日目を生きるのかい?」と死生観を歌いながらもこの曲はとにかく歌詞の比喩表現が美しくて儚く、胸に刺さるものがあります。MVは短編ドラマverもあって、世界観に溢れた切なくも素敵な映像となっています。

 

 

15. Ø choir 
Ø choir

Ø choir

  • provided courtesy of iTunes

< 一人の方がマシだ なんて心に嘘つき そんな事ばっかり言って 愛され方忘れないでね >

 

サックスの誠果が正式メンバーとなって初めて出したアルバムの同タイトル曲。聖歌隊や合唱隊という意味の「choir」と誠果の名前をかけているだけでなく、6人体制となってスタートするという意味で『Ø choir』(ゼロ クワイア)とつけられています。まさに「始まりの合唱」を意味するこの曲では、そんな大切な彼らの大切なものを歌い上げています。

 

 

以上15曲。いかがでしたでしょうか。

 

UVERworldはこれからも拡がっていくことでしょう。

今日まで彼らをあまり知らなかったあなたも、これをきっかけに興味を持っていただけるのであれば幸いです。

 

 

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公開予定の映画20作品へ期待を寄せて

まだまだ予断を許さない状況ではありますが、緊急事態宣言の解除を受けてこれまでの日常が少しずつ戻ってくる希望が見えてきたような気もします。自分自身、家で過ごすことにストレスを感じないタイプの人間なのでコロナ禍においてもそれなりに在宅ライフを満喫していましたが、およそ2ヵ月に渡って行動に制限がかかるとどうしても息苦しさは感じます。外食に旅行にライブにイベントに...日に日に欲が強まるわけですが、映画欲もそのひとつ。

 

現在「Amazonプライムビデオ」と「Netflix」を利用しているので自宅で映画も観ていますが、やはり新作映画を映画館で観られない現状は嘆かわしいわけです。

 

ただ、映画館の営業再開の目途が立ったり、公開日が延期となっていた映画の公式から少しずつアナウンスがあったりと、業界としても動きが見られます。

公開を控えた新作映画が目白押しの今、改めて各作品の概要を把握する意味も含めて、公開予定の映画20作をまとめていきます。

 

どの作品も待ち遠しいですが、楽しみがたくさんあることはシンプルに良いことです。

 

 

 

ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語

不朽の名作『若草物語』を映画化。女性というだけで人生を自由に選べないことに疑問を抱く主人公ジョーが幼なじみからの求婚を断って作家を目指す。

 

アカデミー賞受賞作品で唯一日本での上映がされていない作品という意味でも楽しみです。話題の若手から名優まで出演する本作はキャスト陣の掛け合いにも注目ですね。

 

 

 

ドクター・ドリトル 

名医だが変わり者のドリトル先生が、病で倒れた女王の治療法を求めて動物達と共に伝説の島を目指していく。

 

ドリトル先生を演じるのは、今やMARVELの顔となったロバート・ダウニー・Jr。個性豊かな動物達も豪華俳優陣がキャスティングされ、予告編から楽しげなムードが漂います。

 

 

 

エジソンズ・ゲーム 

19世紀、天才発明家と賞賛されたエジソンが電気を巡って若手発明家とビジネスバトルを繰り広げていく様を描く。

 

知的な役柄が良く似合うベネディクト・カンバーバッチに注目ですが、製作総指揮にマーティン・スコセッシが名を連ねていることにも期待に胸が膨らみます。天才vsカリスマという構図、面白いやつやん!?

 

 

 

シン・エヴァンゲリオン劇場版:|| 

この作品に関してはアニメをさらった上で出会い頭に新作に意識を向けるという感覚です。楽しみな反面、理解が追いつかないこともありそうですが、もはやそれらの論争すら魅力じゃないかと思うわけです。

 

 

 

フェアウェル 

癌を患い余命3ヶ月を宣告された祖母のために、家族が集まる口実としていとこの結婚式をでっちあげる。NYから中国へ帰郷したビリーは人生に悩んでいたが、祖母との交流で徐々に心境に変化が訪れる。

 

優しい嘘から発展するドラマは感動や勇気が内包されることが多いですが、本作もその路線を外さない予感。『ムーンライト』や『ミッドサマー』などを手がける「A24」の新作という点でも楽しみです。

 

 

 

WAVES/ウェイブス 

レスリングのエリートで綺麗な恋人もいる高校生のタイラーは順風満帆に過ごしていたが、肩の負傷によって選手生命を脅かされる。さらに恋人の妊娠も判明し、徐々に苦難の道を歩むことになる。

 

こちらも「A24」が製作。テーマが重そうなこともありスタジオとの相性は良さそうだと睨んでいますが果たして。

 

 

 

グッド・ボーイズ 

小学6年生の少年3人組は同級生の女子達から初キスパーティーに誘われる。キスの仕方が分からない彼らは様々な手でリサーチをするのだが、とある事件が発生したことで3人は絶交の危機に。彼らは初めてのキスをものにするため、奮闘するのだった。

 

予告で既に面白い。主演のジェイコブ・トレンブレイ君はシリアスな作品への出演が多い印象だったので、化学反応な期待。個人的には製作にセス・ローゲンが関わっているところに注目したいです。

 

 

 

ブラック・ウィドウ 

ナターシャ・ロマノフ/ブラック・ウィドウの謎に包まれた過去を描く、MCUフェイズ4の1作目。彼女に訪れる『アベンジャーズ/エンドゲーム』での決断に至るまでの背景が明かされる。

 

ナターシャの過去はもちろん、そこから展開される新たなストーリーを早く体感したい。ホークアイを始め、アベンジャーズの面々が何人か絡んでくると睨んでいますが、予想の更に上を行ってほしいと贅沢な希望を持たずにはいられません。

 

 

 

名探偵コナン 緋色の弾丸 

世界最大のスポーツの祭典を迎える東京。大会スポンサーが集うパーティー会場で事件が発生し調査を進めるコナンだったが、その裏にはFBIとの関係性が浮かび上がる。

 

らぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!!!!!!しんいちぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!!!!らぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!!!!!!!!うわあああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!

 

 

 

デッド・ドント・ダイ 

アメリカの田舎町で死んだはずの人々が次々にゾンビとなって現れる。ゾンビはどうやら生前の記憶を元に行動している様子。阿鼻叫喚に包まれる町を舞台に保安官が生き延びようと奮闘していく。

 

前評判は微妙なようですけど、ゾンビ映画って監督のやりたいことが画として如実に反映されると思うので、そのあたりも含めて楽しみたいですね。みんな大好き『100日後に死ぬワニ』となぜかコラボしてました。公開まであと何日?

 

 

 

トップガン マーヴェリック 

次世代のエリートパイロットを育成する教官としてトップガンに帰ってきたマーヴェリック。彼と候補生らの人間模様を描いたシリーズ続編。

 

34年ぶりの続編とかいうパワーワード。製作陣がとにかくリアルにこだわったという映像と音響はぜひ劇場で体感したいですね。

 

 

 

TENET テネット 

スパイとして暗躍する主人公が世界の存続をかけて戦う。どうやら時間の逆転が物語の鍵になっているようだが、監督の意向による事前情報の少なさは健在である。

 

個人的に2020年の大本命。クリストファー・ノーランの世界が溢れ出して予告だけでゾクゾクする。「時間」が絡むということで、きっと緻密な脚本や巧みな描写の数々を感じられることでしょう。

 

 

 

クワイエット・プレイス PARTⅡ 

音に反応する“何か”の存在によって音を出すと死に直結しかねない世界で、必死に生き抜く家族の戦いを描くシリーズ2作目。

 

エミリー・ブラントのキャスティングがかなりハマっている本シリーズ。スリル溢れる1作目はなかなかに興奮しましたが、更にその上をいく緊迫感に期待しています。

 

 

 

フリー・ガイ 

自分がゲームのモブキャラだと気付いた銀行員のガイが、出会ったアバターと共に世界の危機を救うべく奔走していく。果たしてガイは正義の味方になれるのか。

 

まるで『トゥルーマン・ショー』のようなテイストですが、舞台や設定がかなり現代的。主演でプロデュースも担うライアン・レイノルズのコメディセンスに溢れそうです。

 

 

 

ワイルド・スピード/ジェットブレイク 

前作『アイスブレイク』から5年後。ドミニクは家族と共に幸せに暮らしていたが、息子を誘拐されたことでファミリーを巻き込んだ戦いに挑むこととなる。

 

ワイスピもキャストとの契約さえ滞りなければまだまだ続きそうですが、何だかんだで毎度面白いですよね。ハンが帰ってくることが話題になりましたが、ジャスティン・リン監督も復帰とのことで、シリーズの勢いが止まる気配がないのは喜ばしいことです。

 

 

 

ゴーストバスターズ/アフターライフ 

田舎町で起きている謎の怪奇現象に、都会から引っ越してきた兄弟が立ち向かっていきながら、亡き祖父の謎に迫っていく。

 

長年愛されるシリーズをオリジナルキャスト起用で正当な続編として公開するとは、昔からのファンにはたまらないのではないでしょうか。主役兄弟を演じるのが『ストレンジャー・シングス』のフィン・ウルフハードと『gifted/ギフテッド』のマッケナ・グレイスというところも期待が高まります。

 

 

 

きっと、またあえる 

受験に失敗した友達の息子を励ますために、かつての悪友達が負け犬時代の奮闘を語り出す。

 

『きっと、うまくいく』の系譜を思わせる本作。インド映画でのこの手の作品は外さない予感。過去と現在の2つの軸で物語は進行していくのかと思いますが、ラストへの持って行き方は気になるところ。

 

 

 

モービウス 

天才医師のモービウスは日々多くの命を救いながらも、幼い頃から患っている血液の難病に命を蝕まれていた。コウモリの血清で自らの身体に人体実験を行うモービウスだったが、徐々にダークな世界に足を踏み入れていく。

 

スパイダーマンのスピンオフ作品ということで、今後のユニバース構想に益々熱が入ります。スパイダーマンは苦悩する隣人ですからね。世界観に深みを持たせてほしいと願っています。

 

 

 

ジャングル・クルーズ 

アマゾンに伝わる不老不死を叶える奇跡の花を求め、クルーズツアーの船長のフランクと女性医師のリリーが冒険に出る。そこで彼らは多くの謎に包まれたジャングルの真実を目の当たりにしていく。

 

ジャングルで何が起きようとも筋肉と銃で何とかしそうな2人。きっと何とかしてくれるのでしょう。ポップコーンを片手に楽しみたいタイプの作品ですね。

 

 

 

007/ノー・タイム・トゥ・ダイ 

現役を退き平穏な日々を過ごすボンドだったが旧友から助けを求められたことで危険な任務につく。

 

新たな黒幕は頭脳派とのことで、どのような戦いを繰り広げてくれるのでしょうか。何はともあれダニエル・クレイグが演じる最後のボンドの勇姿を早く観たい。

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まとめていたら期待感が高まってきました。

映画泥棒のアイツが恋しい。

 

ちなみに情報があまり出ていないこともあり今回は紹介しませんでしたが、『BURN THE WITCH』の連載と劇場公開もかなり楽しみにしています。

 

kuh-10.hatenablog.com

 

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井上織姫が照らす『BLEACH』の世界について

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最近は普段に比べて時間に余裕があるので、漫画を読む時間が増えてまして。何度目になるか分からないのですが『BLEACH』を読み返しています。

 

いつだって熱を持って没頭できる漫画が自分にとっての『BLEACH』なんですけど、それにしたって井上織姫って最強じゃないですか?

 

・明るく陽気な性格

・天然で可愛い

・友達想い

・巨乳

・運動神経が良く空手の実力者

・おっぱいがある

・学年上位の成績優秀者

・好きな人に一途

・豊満なバスト

・人一倍の頑張り屋

・胸が大きい

 

主人公の黒崎一護って目つきの悪さや派手な髪色からヤンキーに喧嘩を売られがちですけど、実は家族を大切にしていて仲間想い、芯の通った正義感に溢れる高校生なわけですよね。周りの友達もそれを知っているからこそ一護の傍にはチャドや水色やたつきがいて、織姫がいて。特に織姫は「顔が面白い」という理由から一護に好意を抱き始めるわけですけど、独特の感性はあるにしろ、一護の懐の深さを直感的に察していなければ出てこない興味の示し方なんですよね。主人公の顔が面白いから好きなんて、他のヒロインに言えますか?

 

一護が世界に必要な存在になっていく過程で織姫も能力が開花するわけですけど、その起点となったエピソードや能力自体にもヒロイン力の高さが窺えます。

 

両親から虐待を受け、18歳になった兄が織姫を連れて家を出るも、その兄も事故死。事故の日の朝、織姫は兄からもらったヘアピンが気に入らず喧嘩をしてしまい、出かける間際に「いってらっしゃい」を言えずにいたことを後悔していました。

 

しかし、一護が死神代行となって間もなく兄は虚となって織姫に襲いかかるんですけど、身の危険を顧みずに織姫はその兄すらも抱き締めて受け止めようとするんですよね。兄に心配をかけまいといつしか仏壇に手を合わせることをしなくなった織姫はまたしても兄とのすれ違いを生んでしまったものの、その包容力で兄を成仏させるのです。

 

この優しさこそ井上織姫井上織姫たる所以。辛い過去を持っていても、それを感じさせないほどに元気で無垢。彼女が「盾舜六花」の力を解放し“事象の拒絶”の能力を有するも、最も効果を発揮するのが攻撃ではなく護りと癒しに準ずるのは、彼女の人となりから来ているんですよね。兄からもらったヘアピンが力の媒介となっているのも、ふたりの絆を感じさせます。

 

そして井上織姫といえば、代表的なこのセリフですよ。

 

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BLEACH』第27巻 237話「goodbye, halcyon days.」より

 

バッッッッッッケモンかよ。

こんなこと言える高校生がいるのか?えっ?

 

なぁ一護…もういいだろ尸魂界とかどうでも。大丈夫、あそこには実は零番隊ってのがいてお空でよろしくやってるから。どうにかなるって。一護と織姫と俺とで幸せになろう。

 

そもそもこのシーンってウルキオラから虚園に来るように命令され、背けば仲間を殺すと脅されながらも「1人だけ別れを告げて良い」と言われたことで一方的な別れになると分かっていても織姫は一護の元に来るところなんですよね。

 

彼女は重傷の一護を治療するのですが、きっとその役目がなくたって別れを告げる相手は親友のたつきではなく事情を知るチャドや雨竜でもなく、一護だったと思うのです。当初抱いていた学生らしい素直な恋愛感情や憧れの念が次第に愛へと昇華していき、内気だった彼女がそれでも意を決して一護の元を訪れるわけですね。二度と会えない覚悟で一護に想いを伝える…この決断の重さと能力開花前では考えられなかった行動から読み取れる成長ぶりが何度読んでもたまらなく好き。

 

しかもですよ?ウルキオラのこと「ウルキオラ君」って呼ぶんですよ?護衛を殺して自らを拘束するような奴を君付けするという清さ。心に一切の穢れがない。世界中が井上織姫で溢れていたら戦争なんて起きないのに。

 

とはいえ一護の隣にはルキアがいることが多く共に死線をくぐり抜けてきた関係でもあるので、織姫がふたりの関係に嫉妬してしまう描写もあって。何が良いかって、織姫は嫉妬心を抱く自分に嫌気がさしているんですよね。

 

我が強くないというか、助けられる立場であることが多かったからこそいつだって人のことを考えている純粋さ。でもルキアのことも大切に想っているし、同性の友人の少なかったルキアの良き友として関係を築けている。織姫の人間関係には、そんな温かさが溢れています。

 

物語が進むにつれて、はじめは天然っぷりをこれでもかと発揮していた織姫もその奔放さは次第に影を潜めていき、真面目に悩むことが多くなっていきます。しかし、一護を想う気持ちは登場したその時から変わらず、尸魂界でも現世でも虚園でも一護のそばで戦ってきました。そのまっすぐな想いと献身的な姿勢が実を結んで花を咲かせ、最終話の展開へと発展させたわけですね。

 

一護の結ばれる相手が織姫であることは度々比喩による伏線があって、ウルキオラや愛染は織姫を「太陽」に例えるセリフを用います。

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BLEACH』第27巻 236話「The Sun Already Gone Down」より

 

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BLEACH』第35巻 313話「TO CLOSE YOUR WORLD」より

 

BLEACH』ではどちらかというと「太陽」よりも「月」の方が名称などに使われるイメージの方が強いと思うんです。月牙天衝とか。

じゃあ「太陽」は何の比喩表現で用いられていたかというと、一護の母親である黒崎真咲を指すセリフです。

 

一護や父親の黒崎一心はかつて、家族の中心だった真咲を「太陽に似ていた」と言いました。真咲といえば、一護が幼いながらに護りたいと願った人です。護りたい人、そして愛する人である真咲と同じ表現を用いられる織姫は、一護にとって護りたいだけの対象ではなくいつしか愛する人になることを示していると取れるわけですね。

 

また、名前に使われている咲という字は花を想起させるものですが、織姫の「盾舜六花」は花の精霊をモチーフとしていて、媒介となるものは兄からもらったヘアピンです。そこから切り取っても、真咲と織姫には確かな繋がりがあります。

 

真咲は一護を護るために「雨」の日に命を落としてしまいますが、織姫という「太陽」が一護の人生を明るく照らしてくれるはずです。

 

やっぱり好きなキャラクターには幸せになってほしいと思うわけで、それが叶った正ヒロインの姿には素直に喜びを感じます。今日も井上織姫が眩しい。

『ランウェイで笑って』に感じる、夢の途中にある男女の「本気の生き方」の眩しさ

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週刊少年マガジン」2018年25号より

 

『ランウェイで笑って』のアニメを観てからいても立ってもいられなくなって現在発売されている原作15巻まで読み進めたところ、感情の波がどんどん押し寄せてきてエモーショナル溢れる作品に唸らされている。

 

原作は週刊少年マガジンで連載中の猪ノ谷言葉先生による漫画だ。

 

アニメはアニメの良さがあったが、漫画は大切なシーンを1コマでこちらの感情に訴えかけてきたり言葉の重みがよりのしかかってきたりと、巧みで素晴らしい構成だ。

 

登場人物の表情の含みの持たせ方やファッションアイテムの描き込みなども丁寧で端整かつ秀麗。作品において重要な役割を担うファッションという分野を突き詰める文脈に、説得力を生み出している。

そして何よりも登場人物らの“本気の生き方”に、胸を打たれてしまった。

 

 

超一流のモデルになってパリコレでランウェイを歩くことを幼い頃から夢見る藤戸千雪は整ったルックスとスタイルを持つが、158cmというファッションモデルとしては致命的な身長。モデルという職業に魅せられ高い志を持って夢に向かい歩みを進めていく彼女に、高校の同級生で家庭の経済的理由からファッションデザイナーの夢を諦めようとしていた都村育人は心を動かされ、その道を目指す決意をする。

 

『ランウェイで笑って』はそんな「自らの意志ではどうにもできない境遇」を背負いながらも、夢に向かってがむしゃらに突き進んでいくふたりの物語だ。

 

「置かれた環境から脱却して夢を目指して羽ばたいていく」なんて言えばシンデレラストーリーのようだし、それがモデルやデザイナーの話ともなれば何とも華やかな物語を想像しそうなものだが、実際のところ本作は実に熱くて泥臭さも併せ持っている。

 

我々がファッションの世界に抱く煌びやかなイメージはあくまでも表面上のものであり、そこに行き着くまでには才能を持っているなんてのは大前提で、苦悩の中でも押し潰されず血の滲むような努力と奮励を積み重ねた結果であることを、『ランウェイで笑って』では痛感させられる。

 

ファッションモデルにおける身長という才能は、絶対的だ。魅せるべきはモデル本人ではなく身に纏う服であり、モデルはそのための身長とスタイルを求められる。千雪の恵まれないその身長は、常識的には通用しないとされるのである。

そう考えると「パリコレの舞台に立つ」という千雪の目標は、業界人からすればある種の冒涜とも捉えられるのかもしれない。彼女の158cmという身長は日本でさえランウェイを歩くために必要とされる身長より10cm以上も低い。その彼女が、よもや世界のパリコレを目指すというのだから。

 

さらには服を魅せるためのファッションショーにおいては人々の視線を顔へ集めてはならないため、モデルはランウェイでは無表情でなければならないとされている。

そんなタブーに踏み込んだタイトル、そしてモデルとしては低身長の千雪がその道を目指す姿勢はまさに“常識にとらわれないことの大切さ”を提示していくと共に、歩くことを途中でやめられない「ランウェイ」を「人生」と重ね、苦しい中でも希望を持って笑うべきだと訴えているのだろう。

 

モデル派遣会社の社長を父の家庭に生まれ、憧れのモデルを目の当たりにし、そこに「パリを見てしまった」こと全てが、断固として千雪を夢から引き離さない。それを諦めてしまえば自分が自分でなくなってしまうとまで豪語するほどの志は相当のものだ。その紛うことなき本気の意志がひしひしと感じられるからこそ、『ランウェイで笑って』は驚くほどの熱を帯びた作品になっている。

 

作中で登場人物が何かを成し遂げた時や認められた時に読者に訪れる感情の揺れ具合といったらない。

挑戦することに対して壁が立ちはだかり、苦悩して、時には挫折しそうになる。魅力的なルックスを兼ね備えながらもその身長だけで否定的な言葉を浴びせられる千雪。デザイナーとしての才能を持ちながらも進学するお金がない育人。スペックの高いスタイルだがモデルの仕事を嫌いデザイナーの道を歩みたいと願う心。将来を期待されながらも家の名前が付きまとう遠。デザイナーとしての才能があっても愛想がなく人間関係に苦労する柳田。お金やコネに困ることはないがデザイナーとしての才能がない美依…。

 

どれだけの才能があっても、何らかの苦悩が彼らを襲う。どのような道においても才能だけではどうにもならず、苦難を乗り越えるだけの本気の意志が必要なのだ。彼らが選んだ道は間違いなくプロフェッショナルの世界だからだ。

 

プロフェッショナルの世界では結果こそが全てであり、そこに至るまでの過程に言及することはない。オーディションに合格することも、ファッションショーで認められることも、服を売り切ることも、コンペで勝つことも、重要なこと全てが結果である。結果を求めるため、壁にぶつかりながらも努力を重ねて少しずつ乗り越えていく。千雪や育人が身を置くのは勝利を手にして初めて努力を認められるプロフェッショナルの世界であり、その境地に達するのは並大抵のことではない。それでも突き通したい志を胸に世界に飛び込んでいく若き彼らは魅力に溢れているし、大きく感情移入してしまう。

 

彼らが苦悩に藻掻く描写でこちらもどんどんと感情が溢れて逃げ出したくなるほどの苦しさを覚えていく中で、それが実を結んだ時の高揚感ときたら。まるでダムが決壊して溜まっていた苦しみが一気に喜びに変わり、怒涛の如く押し寄せて来たかのような感覚に襲われるのだ。

 

本気だからこその意地と意地のぶつかり合いもあって、どんどんと熱量が高まっていくそんな少年漫画としての道も決して外さない。スポ根よろしく、人々のぶつかり合いで思わず目頭が熱くなる。多くのファンの心を掴んでいる要因のひとつは、この熱さにあるだろう。

 

プロフェッショナルとしての結果を追い求める所作は、何もファッション業界だけに限ったことではない。その道で成功を収めるべく本気の生き方をしている人は、人一倍の野心があり負けず嫌いでプライドがある。時には常識や世間体などを取り払う必要だってあるかもしれないし、何ならそんな薄っぺらい倫理はその人の中には存在すらしていないのかもしれない。その是非について言及はしないせよ、いずれにしても大切なものは本気になることだ。若くして才能とそれ以上の情熱を持って本気で突き進んでいく千雪と育人らの姿に、心震わされずにはいられない。

 

常識に抗う彼らはパリコレを目指す上で、主にヨーロッパの上流階級により歴史を築き上げられたハイファッションの世界で凝り固まった価値観をとっぱらうことで存在感を示していくのだろう。年齢や性別、国籍に肌の色、性に対する考えなどが多様化する昨今だが、『ランウェイで笑って』はまさに近代的。ファッションという流行に敏感な分野で常識にとらわれないのは危うくも挑戦的であり、とても刺激がある。総じて熱さを纏う本作が、心を掴んで離さない。

『トイ・ストーリー4』はシリーズを否定するほどの駄作なのだろうか

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僕自身ディズニーやピクサーの作品で育った人間ではないのだけれど、その精巧な作りに加えて笑いも涙も誘う『トイ・ストーリー』シリーズは小さい頃から何度も繰り返し観てきた。そんな馴染みのある作品だ。

 

トイ・ストーリー4』の制作が発表された時、世間からは期待と不安が入り交じる声が聞かれた。不安を訴える大半が「3で綺麗に終わったのに続編をやる必要があるのだろうか。」というものだったが、制作側もそんな声を理解していないはずはなく、どう転ぶかハラハラしながらの鑑賞だったと記憶している。

 

先日、地上波で『トイ・ストーリー3』が放送された際に、案の定4の展開に対する嘆きをツイッター上で多く目にした。

 

実際のところ劇場鑑賞後に思ったこととしては「賛否両論だろう」そして「少なくとも自分は嫌いじゃない」ということだった。素直な感想として、劇場を出て真っ先にそう思ったのだ。

 

レビューとしてはかなり厳しい評価もあり、いくつかの内容を拝見して感じたことは「トイ・ストーリー愛が強い人ほど今作に失望しており否定的な意見が多く見られる」ということ。いや、僕だってそれなりに好きなシリーズなのだが・・・なんて世間の評価とのズレにやや困惑したりもしたのだけれど。

 

とはいえ、アニメーションはやはり素晴らしい。

特に時代の流れと共に映像美の進化を感じた点がおもちゃの質感。フォーキーの質素で軽そうな感じも、久々の登場となったボー・ピープの陶器特有の艶や冷たさも、バニーとダッキーの思わず触れたくなってしまうモフモフとした毛並みも。単純に見た目のクォリティーも目を見張るものがあるが音響やモーションの相乗効果が重なり、おもちゃを手に取っているかのようにその質感がわかってしまう。見事だとしか言いようがない。

 

4のラスト、ウッディがボニーやこれまで共に過ごしてきたおもちゃ達の元を離れてボーと一緒に“迷子のおもちゃ”となり、外の世界で生きていくという選択。

 

持ち主を幸せにすることこそがおもちゃの幸せだと信じて疑わず、その考えに従って忠実に行動してきたウッディ。

1作目では当時新しいおもちゃとしてやってきたバズを僻んでアンディの元から引き離そうとしていた彼だったがシリーズを通して成長し、アンディそしてボニーの幸せを1番に考えてきた。

 

だからこそ、ウッディの最後の決断はとても悲しいが、しかしウッディはボニーのおもちゃとして選ばれない日が多くなっていたことも事実なのだ。ボニーにおもちゃを託したアンディの気持ちを考えると胸がチクリとするけれど、彼女ほどの歳の子が特定のおもちゃに興味を失っていくことは自然なことではないだろうか。小さい頃によく遊んでいたおもちゃも、少し経つと徐々に離れていった経験はあるのではないだろうか。

 

「ボニーは自分がいなくたって幸せだ」

「ならば自分はどうするべきなのか」

そんな心境の中で外の世界でたくましく生きるボーに惹かれていく。

 

そして悲しみを助長するのが、ウッディを引き止めずむしろ背中を押すバズの姿。

ウッディが自分の元から去っていくというバズの立場は我々客席側と同じなのだ。

ウッディはなぜそんな決断をするのか。僕達は上映中必死に理解しようとし、それでも考えが追いつかない。そんな中で、ウッディの親友であり誰よりも近くでウッディを支えてきたバズが何も言わず彼を見送るのだから、僕達はますますやるせなくなる。

 

ウッディはもう十分にやってくれたじゃないか。幼少の頃からアンディの1番のお気に入りとして彼の成長を見守り、他のおもちゃを先導し、成長過程のボニーを喜ばせ、助けてきた。

そんな彼が今、おもちゃとしての岐路に立っている。背中を押して、無限の彼方へ飛び立ってもらおう。ウッディの信念は我々が受け継ぐのだから。

そんなことをバズが想っている気がして、どこか迷いもあるウッディの決断を一概に否定することも出来ないと思ってしまった。おもちゃの役割の普遍化を経て、ウッディが行き着く幸せとは何なのか。時代の移り変わりによって価値観も変化している中で、それを『トイ・ストーリー』で描く意義に疑問を抱く意見も分かるのだが、“『トイ・ストーリー』だからこそ”描くことに価値があるのかもしれない。

 

トイ・ストーリー4 (吹替版)

トイ・ストーリー4 (吹替版)

  • 発売日: 2019/09/27
  • メディア: Prime Video
 

 

だが、ストーリー展開に否定的でない僕にも、どうしても受け入れられないことがある。


ウッディの決断がこれまでのシリーズ3作品で描かれてきた『持ち主を幸せにすることこそがおもちゃにとっての幸せ』であることを否定している点も、その他いくつかの意見が割れる点も自分なりに咀嚼したつもりではあっても、納得がいかないことがあるのだ。それが、ギャビー・ギャビーというキャラクターの在り方について。

 

ギャビー・ギャビーはボイス機能に欠陥のある不良品のおもちゃだった。それ故に子供達と遊ぶことができず、持ち主に遊んでもらうことを夢見る毎日を過ごしていた。そこに現れたウッディからボイス機能を半ば強引に移植することで、念願の声を手に入れるわけだ。

 

観ている側からはここでかなりのヘイトが向けられる。

なにも前作のロッツォのように報いを受けろというわけではない。不良品である彼女への同情もある。精神が歪んでしまうほどに苦しんだであろうことも理解はしている。

 

しかし、ウッディはギャビー・ギャビーにどれだけのことをされても、最終的には彼女を助ける選択肢をとった。だからこそ、ウッディの決断を僕達がすんなりと受け入れるためにギャビー・ギャビーにはもっと深く改心してほしかった。ウッディへの御礼の言葉は確かに聞いたが、それに対してウッディが失ったものが大きすぎやしないだろうか。

 

アンディやボニーに遊んでもらう中で大切にしてきた彼のボイス機能を、子供に遊んでもらいたいと願うギャビー・ギャビーに託し、だからこそ外で生きる決心がついたとも取れる。

ウッディの最後の決断に繋がっていくシーンだったこともあり申し訳ないが全く感情移入できなかった。

 

ギャビー・ギャビーの境遇は、ボーの生き方が現代における女性の社会進出というテーマを表したように、“何かしらのハンディキャップがあっても権利は平等”だという社会的テーマが示されているのだろう。

しかし事情はあったにせよ、ウッディは自分の身体の一部を譲った。ギャビー・ギャビーのおもちゃとしての幸せを願って、アンディやボニーとの思い出の欠片とも言えるものを無くしたのだ。両キャラクターの温度感がとてつもなく感じられてしまい、どうにも受け入れ難いものがあった。

ウッディの決断をより多くの人に受け入れさせるのであれば、ボイス機能をギャビー・ギャビーへ譲るということを強引に持っていくのではなくウッディ自らが名乗り出るほどに感情移入をさせてほしかったというのが本音である。


 完璧なラストと評される前作から一転、ファンの多くを驚かせた今作だが、当然続編の存在が気になる。大切なのはこれからだろう。現時点では続編の有無については分からないが、ウッディの生き様を目撃するため続きの物語は当然観たい。

 

今作でウッディがボニーの元を離れて迷子のおもちゃになるという決断を下したのは、「おもちゃとしての役割を果たした」と感じたからだ。

例えば、フォーキーは元々使い捨ての先割れスプーンだった。それがボニーの手によりおもちゃとして意思を持っても、「僕はゴミだ」と認識する。当然だ。彼は本来、使い捨てられたスプーン=役割を終えたゴミなのだから。

 

そんな中でウッディを始めとしたおもちゃ達の助けによって、ゴミだと思っていた自分にも違う役割があるのではないかと考えるフォーキー。その役割が誰かを幸せにするかもしれないことに希望を持っていく。

 

同様に、ウッディも自らが担う役割の移り変わりを感じていた。

アンディの1番のお気に入りとして役割を全うしてきたが、ボニーの手に渡ってからは彼女のお気に入りにはなれなかった。持ち主を幸せにしていたこれまでと違い、いなくてはならない存在から逸脱したのだ。それがウッディにとってどれだけ辛かったことだろう。それでもウッディはボニーのために、フォーキーを持ち主の幸せにさせる役割へと連れていく。

 

ボーとの再会を経て新たな道を選ぶことで、これまでの自分と違った役割を見つけられるかもしれないウッディの判断は否定しようもなく、ウッディのこれからを見届けるためにも、ぜひ『トイ・ストーリー5』を観たい。そう思っている。

自粛期間に想いを馳せる貴方の名はあいみょん

音楽を聴く時はほぼ同じアーティストのリピートばかりの僕が、疫病の蔓延による緊急事態宣言が出る前くらいからそれをしていない。

 

というのも、結局のところイヤホン越しに聴く音楽はどうしたって生音で体感したいと思ってしまうので、ライブやイベントがバタバタと延期あるいは中止となっている今、それが叶わない苦しさから目を背けたいというわけだ。

 

だが、いつもの彼らの曲をあえて聴かないようにしつつも定期的に音楽を聴く習慣は変わらず存在する。であるならば、せっかくだし普段聴かないアーティストの音に触れてみようという思惑だ。

 

案外、周囲が色々な楽曲を聴いているのだなと思うこともあり、そういった話題にイマイチついていけない自分をどうにかしたかったのも事実なのでちょうど良かったのかもしれない。

 

実際、年末に差しかかるとツイッターではその年のお気に入りの楽曲をピックアップする流れが自分のタイムライン上では数年前からあるわけだけど、社会人になりアニメやドラマの視聴数が激減した頃からそういった話題には疎くなっていた。そう考えると至極真っ当なことではあるが、作品のタイアップというのは偉大である。

 

同じライブに行っている友達の口からたまに他のアーティストの名前が出てくることもあり、2020年は聴く音楽の幅を少し広げてみようかと考えていたのも原動力だと言っていいだろう。

 

さて、そうなるとまずはどのアーティストから入っていこうと考えるのだけれど、自分が今もなお好きなアーティストとの出会いを思い返してみると、デビューして間もなく知ったパターンばかりだと気付く。

 

何年もライブに足を運んでいるバンドも、声優アーティストも、ユニットも。偶然にも僕はデビュー直後に歌を聴き、ライブに行き、周りに好きだと公言していた。だから何枚もCDをリリースして、アルバムだって制作して、ライブを重ねてある程度売れて、そこで初めて知ったアーティストの過去の楽曲を掘っていくということは経験として少ないかもしれない。幸いにも、いずれもデビューして間もない偶然の出会いが重なっているようだ。

 

ファンの数も多いとは言えない時点でのアーティストの1stワンマンやツアーといった「初めて」を共に体感していく喜び。徐々にオリコンチャートの順位を伸ばし、世間に認知されていく様をリアルタイムで感じられる興奮。インタビュー記事だってライブのMCだって、過去を知るからこそ得られるエモーション。

知るタイミングが早ければ早いほど、それらを感じられるのではないかと思う。

 

話が逸れたようにも思えるけれど、そういった古くからの認知というのは、逆に楽曲やアーティストの発掘する気を削ぐ感覚もある。ずっと聴いている曲で、満たされてしまうから。

 

さて、やはりトレンドのアーティストから入るのが無難だろうということで、流行りのアーティストとして思いつく人達を並べてみる。音楽チャートを調べたり、サブスクを覗いてみたり………。

 

……。

 

…。

 

 

そして、選ばれたのはあいみょんでした。

複数のアーティストを順々に聴いてみたら良いものの、不器用なのか何なのか、ここのところあいみょんばかり聴いている。

 

改めて聴いてみると知ってる曲もたくさんあり、とても耳触りが良い。映画やドラマ、CMなどに使用されている曲の多くはポップでキャッチーな詩と歌の数々が耳に残り、1日中ずっと頭から離れず、やがて心を掴まれていることに気がつく。『マリーゴールド』『今夜このまま』『ハルノヒ』などここ2年くらいの表題曲は特に、老若男女問わず好まれるであろうポピュラーでありながらもどこか懐かしさを含んでおり、スッと心に落ち着くのだ。

 

かと思えば『好きって言ってよ』『〇〇ちゃん』など、男が冷や汗をかいてしまうような、女心をさらけ出した剥き出しの愛を歌い放つことだって少なくはない。それこそインディーズデビュー曲の『貴方解剖純愛歌〜死ね〜』なんてその筆頭だろう。

 

詩における愛情の振り切り方に留まらず、例えば『生きていたんだよな』なんかも歌い出しから首根っこをガッと掴まれて、聴くまで無事に帰さんと言わんばかりの世界観への引き込み方をする。感覚として、“世界観に惹かれそちらに歩き出しているのに、向こうからも引きずり込んでくる”ようなイメージ。

 

さらには、曲によってはとてつもなく官能的で艶めかしさを秘めていたりするから、本当に油断ならない。『満月の夜なら』はまさにその筆頭で、歌い出しからもはや官能小説。しかし、歌詞に「エロ」「セックス」なんて普通に入っている曲もある中で、全然嫌なエロさではなくてむしろ芸術性を感じさせるところが彼女の凄さだ。

直接的な歌詞を切なげに歌ったかと思えば、比喩を用いた歌詞を挑戦的に声に出すこともする。ワードチョイスと歌い方の絡ませ具合にこれでもかとセンスをほとばしらせている。

 

人の生き方やそこで感じる鬱憤、青春時代に生まれた恋愛感情などを投影して、曲に落とし込む技術とセンス。多角的で幅のある楽曲を作り、歌い上げられることこそがあいみょんの大きな魅力のひとつなのだろう。

 

この若さで豊かな感性を持ち合わせ、情景の切り取り方も抜群に上手い。ライブでの演出はどのようなものなのだろう。MCではどんな話をするのだろうか。セトリの繋ぎも気になるな。

 

普段聴くアーティストの音楽によって当分行けないライブへの欲から逃げ出そうとしたのに、逃げたその先でまたもや同じ衝動に駆られているようでは元も子もない。

いつかワンマンライブへ行こう。そんないつかを思い描いての「#おうち時間」の近況。

 

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フェーズ4の公開日変更も決まったことだしMCU俳優主演のおすすめ映画5本を紹介する

何かと理由をつけてMCU出演俳優が主演を務めるおすすめ映画を紹介するコーナー第2弾のお時間が今日もやってまいりました。

 

先日、MCUフェイズ4の1作目にあたる『ブラック・ウィドウ』の公開延期を受けてシリーズ出演の俳優陣の主演映画を5本ピックアップしたところ、ちょこちょこ反応があって嬉しかったことあっての続編(?)。キリよく10本、ひとつの記事にまとめるべきでしたね。

  

kuh-10.hatenablog.com

  

とはいえフェーズ4の公開日変更が決まったのは数週間前であるあたり、紹介に至る理由付けが強引すぎる…。

 

はじめはMCUのファンが他作品に触れるきっかけになればと思って始めたことでしたが、逆に紹介した映画からMCUに興味を持つことにも繋がるのではとも思ったり。MCU出演俳優の〜なんて謳ってはいるものの、シリーズを知らない人にだって目を通してもらえたらなお嬉しいですね。

 

外出自粛の連休ではありますが、せめて素敵な『#おうち時間』にするひとつの手段に、映画という娯楽を。

 

 

 はじまりのうた

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MCUでハルク/ブルース・バナーを演じたマーク・ラファロは、人生に苦悩する役柄がとても良く似合います。悩んだり怒ったり悲しんだり、それらを経て喜びに達したり。喜怒哀楽の表現に富んでいるからでしょう。

本作もそんなマーク・ラファロの魅力が詰まっています。

 

とある出来事により失意の中ライブハウスで歌うキーラ・ナイトレイ演じる若き女性がマーク・ラファロ演じる音楽プロデューサーに出会ったことで、ふたりの人生に変化が訪れていきます。

 

ニューヨークの街並みや喧騒の中で音楽に身を任せながら描かせていく人間模様がとても美しい。シーンごとに使われる音楽が効果的で、乗せられるとすごく楽しい気分になりますし、シリアスな場面では心苦しくさせられ、とにかく見せ方が秀逸。

 

家族、親子、友達、恋人…様々な人間関係に前向きにさせてくれる作品です。

鑑賞後は素直に、良い映画を観たなぁと浸れるのではないでしょうか。

 

 

 ウインド・リバー

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『エンドゲーム』では見せ場も多かったホークアイ/クリント・バートンを演じるジェレミー・レナー主演作。

 

タイトルにもなっている深い雪に囲まれた「ウインド・リバー」で女性の遺体が発見され、ジェレミー演じるベテランハンターのランバートが捜査に一役買うこととなったことで徐々に真相に迫っていくサスペンスです。

 

大自然に囲まれた過酷な環境とそこで起きた事件が常に緊迫感を持たせるだけでなく、そこに住む先住民への理不尽な仕打ちや彼らの抱える鬱憤といったアメリカの暗い部分をも如実に描いています。

 

事件を捜査するために派遣された新人FBI捜査官には、MCUでワンダ・マキシモフ/スカーレット・ウィッチを演じるエリザベス・オルセンが起用されています。

 

ジェレミーの悲壮感漂う演技が光る1作なのは間違いないのですが、彼女の役柄を通しての視点を考えて観てみるとまた深みが増す映画となっているかと思います。

 

 

 思いやりのススメ

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ポール・ラッドが主演を務める、Netflixオリジナルのロードムービー

彼がMCUで演じたアントマン/スコット・ラングのようなコミカルな部分を持ち合わせてながらも、心に傷を負った介護士を熱演します。

 

介護士として初めての仕事は、難病を患い身体が不自由な少年のお世話。しかしその少年はひねくれた性格の厄介者でした。

彼らは衝突しながらも徐々に距離を縮めていき、ある目的のために旅へと出ます。

 

旅先での初めてだらけの経験にふたりは心を通わせていきますが、その節々にキャストの魅力が弾けます。

 

人間関係や今後の人生など、人々が抱える不安や迷いを抱きながらも旅先での出来事を経て希望を生んでいく、そんなロードムービーらしさ溢れる本作にはきっと胸を打たれる人も多いはずです。

 

 

 私がクマにキレた理由

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主演作『ブラック・ウィドウ』の公開を控えるスカーレット・ヨハンソンが、ベビーシッターとして雇われた先で恋に仕事に葛藤しながら成長していく女性を等身大に演じます。

アベンジャーズは家族だと言うナターシャでしたが、本作はまさに家族が抱える問題やそれらに向き合う人達の苦悩を描いています。

 

また、MCUキャプテン・アメリカスティーブ・ロジャースを演じたクリス・エヴァンスも出演しているのですが、彼の役柄がまぁ素敵な男性で。気づいた時にはもうメスの顔になってしまいます。

 

さらには雇い主のマダムには数々の賞に輝いているローラ・リニーが起用され、作品の雰囲気を引き締める演技がとても光っているので、キャスト陣の掛け合いが素晴らしい1作だと思います。

 

 

 シャーロック・ホームズ

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MCUの顔、アイアンマン/トニー・スタークを演じたロバート・ダウニー・Jrが本作で扮するのは、世界的な推理小説の主人公シャーロック・ホームズ

キャプテン・マーベル』出演のジュード・ロウ演じる相棒のワトソン博士と共に、国の崩壊を目論む陰謀を暴くべく立ち上がるミステリーです。

 

本作の特徴は推理要素はもちろん、アクションの見せ方が実に独特だというところ。制作陣が『マトリックス』シリーズなどに関わっていることなどからも、そのこだわりは伺えるのではないでしょうか。

 

知的でありながらも武術にも長けるホームズへのダウニー・Jrの役作りも大きな見どころになっています。2作目まで公開されているほか、3作目も制作予定とのことで、今後の展開にも注目です。

 

 

映画を追っていく上で好きな俳優がひとりでもいると、過去作をひとつひとつさらっていくのがより楽しくなりませんか?

その俳優の新たな一面を覗けるのがとてつもなく嬉しく、また作品への思い入れが一層強まりますよね。

 

今回はMCU出演俳優に再度スポットを当ててみましたが、彼らがヒーローを演じる姿をスクリーンで観られる日を楽しみにしましょう。

 

 

連休のお供に併せてどうぞ。

 

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『タイラー・レイク -命の奪還-』感想/ひとりの傭兵が戦う先は罪からの解放

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アベンジャーズ/エンドゲーム』のアンソニー&ジョー・ルッソがプロデュース、MCUではソーを演じたクリス・へムズワースが主演として話題の『タイラー・レイク -命の奪還-』がNetflixにて配信となった。

 

このような情勢ということもあって新作映画が次々と公開を延期し、映画館は休館を余儀なくされている今日この頃。毎週のように映画館に通っていた映画ファンにとっても、退屈な週末が続いているのではないかと思う。

 

そんな中で久々のハリウッド映画の新作に触れられる喜びはひとしおである。映画館に行けない悲しみは相変わらずだが、サブスクの強みが出たことは間違いない。

 

 

リアルにこだわり、出来る限りCGを使わないスタイリッシュなアクションを終始展開する本作の監督を務めるのは、サム・ハーグレイブ。

 

アベンジャーズ』でキャプテン・アメリカを演じたクリス・エヴァンスのスタントマンを務めていたほか、『アベンジャーズ/エンドゲーム』ではアクションコーディネーターもしていたキャリアを持つ人物だ。

 

洗練されたアクションを繰り広げて拡大していった『ジョン・ウィック』シリーズや『デッドプール2』を手がけた「87イレブン・アクション・デザイン」の中核メンバーでもある。

 

ご存知ない方々のために「87イレブン・アクション・デザイン」とはなんぞや、というところからなのだが、その名の通りアクションシーンから俳優の訓練までを担う会社だ。

 

設立したのはデヴィッド・リーチチャド・スタエルスキ。それぞれ、キアヌ・リーブスブラッド・ピットのスタントダブルとして徐々に名を馳せていった人物だ。

意気投合した彼らは会社を立ち上げ、『ジョン・ウィック』では共同監督として名を連ねるほか、それぞれが『ジョン・ウィック』シリーズや『ワイルド・スピードスーパーコンボ』、『デッドプール2』などで監督を務めるなど、作品を観たことのある人からすると圧巻のアクションの連続だったことからも、そのすごさはお分かりのことだろう。 

 

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今、アクション映画を撮らせるなら彼らだ!とすら言われる集団に名を連ねている人物のひとりが、『タイラー・レイク』の監督、サム・ハーグレイブなのだ。

 

携わるスタッフ陣や予告からの期待の通り、本作はアクションに継ぐアクションで、息つく間も与えぬほど肉弾戦が連なっている。

 

数々の激戦を乗り越え現在は裏社会の危険な仕事を請け負う傭兵タイラー・レイク(クリス・へムズワース)が、連れ去られた麻薬王の息子オヴィ(ルドラクチャ・ジェイスワル)の奪還任務に挑んでいく。

オヴィの救出を難なく成功させるタイラーとそのチームメンバーらだったが、それにより警察と組織の両方から命を狙われることに。

 

まず、オヴィの救出シーンは監督のご紹介と言わんばかりの銃撃戦そして肉弾戦。突入して下っ端を次々と片付けていくタイラーだが、豪快に銃をぶっぱなすわけもなく、まず急所を撃ってから確実にとどめを刺しにいくあたり、さすがのアクション畑の監督である。

 

机やコップを利用する敵の倒し方や折れた熊手の先に相手の顔を押しつけるといったアイデアもさすがのもので、一気に本作の方向性を分からせる怒涛のアクションだ。それでいて敵を一掃した後に子供逃がすあたり、タイラーの抱える過去を明らかにする布石ともなっている。

 

オヴィを奪還した後も、緊迫した時間は続く。サジュ(ランディープ・フーダー)や警察から逃れるためダッカの市街地を走るタイラーとオヴィを、ワンカット風に撮っていくのだけれど、これが凄まじい臨場感を演出している。

 

後部座席から、敵の車体から、目まぐるしく移り変わる視点でのカーチェイス。砂埃を巻き上げ、銃撃戦と同時にカーアクションのスピード感そのままで敵から逃げ仰せようとする緊迫した中での迫力満載のシーンだ。

 

建物内に逃げ込む2人は、縦横無尽に駆け巡り敵を薙ぎ払っていく。まるで近年のシューティングゲームを見ているかのような、いやそれ以上のリアルなアクションを見せつけられていくのだけど、その凄さには舌を巻くばかりである。

 

隣の建物に飛び移ったり近接戦闘の末に路上に落ちるところもカメラマンも一緒に飛んで撮っているので、これほどの臨場感を演出できるのだろう。

 

 

見応え抜群。興奮の連続。さらには、物語が進行していく中で徐々に明かされるタイラーの過去に、作品のドラマ性も帯びていく。

 

長いこと会っていない妻、そしてリンパ腫で亡くした息子の存在が明らかになる。タイラーは息子の死に直面することから逃げ、自ら志願してアフガニスタンへと出征したことを悔いていたのだ。

 

冒頭で酒を煽って落差30mもある崖から湖へと飛び込み水中で思いに耽けるタイラー。何かと死に場所を探しているかのような描写があるわけだが、所々でチラつく浜辺での息子の姿が繋がってくる。

だから、任務によってチームがハメられてしまったことによりオヴィを置き去りにするように言われるタイラーは、それを拒絶する。それはオヴィの父が麻薬王であろうとも、息子を失う辛さを知る親としての決心でもあるだろうし、現実から目を背けてしまった過去を悔いる男としてのけじめもあったことだろう。

 

また、敵対していたサジュが家族を想い戦っている事実もまた、人間ドラマを感じずにはいられない。敵にも魅力があると作品がより味わい深くなるし、その敵がいずれ味方となればこれはもうアクションやヒーロー映画の醍醐味のひとつとも言えるけれど、そういった意味で捉えれば本作のサジュは非常に大事な役回りだ。

 

さらには、タイラー達を追う青年ファラドもその一端を担っている。仲間を殺させぬようにとっさに機転を利かせる頭の良さ、それをギャングの頭相手に言い放てる度胸。タイラーに引き金を引こうと躍起になる狡猾さ。彼の右頬には刃物で裂かれたような痕があり、その過去が敵となるに至るまでを何となく思わせてくれる。

 

クライマックスの橋のシーンでは、サジュが命を落とし、満身創痍のタイラーはファラドに撃たれてしまう。無事にオヴィを仲間の手に引渡したことを確認し、小さく頷くタイラー。自分の役割を果たしたことで、タイラーは過去の自分への罪の意識から、少しばかり解放されたのだ。

 

だから、プールから出たオヴィの奥に映る男の正体が明確にならずとも、含みを持たせるまでにとどめている。

オヴィもまた、自分のせいでタイラーを失ったと悔いているはずなのだ。それはかつてのタイラーと同じような飛び込み方でプールに入り水中にいる描写からも明らかであり、水面に顔を出して男に気づけばきっと、オヴィも罪の意識から解放されるのだから。

 

タイラーの過去やタイラーとオヴィとの関係性をより深く掘り下げた方が個人的にはもっと好みだったとは思うが、それを差し引いても目を丸くするアクションの数々には満足である。

 

監督の抜群のセンスが光ながらルッソ兄弟の見せ方に魅了され、キャストの魅力が溢れた1作だった。

『イエスタデイをうたって』とかいう沼アニメにハマってしまったので助けてほしい

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2020年4月からアニメの放送がスタートした『イエスタデイをうたって』。

冬目景先生のマンガが原作の、若者の感情の揺れを繊細に描いた青春群像劇だ。

 

タイトルは知っていたものの恥ずかしながら読んだことのなかった作品だったので、これを機に作品に浸ってみたらとてつもなく心に響いてきて大変驚いております。助けてくれ。

 

だいたい、アニメの放送がNUMAnimation(ヌマニメーション)というレーベル枠となっていて、こんなレーベル名あったっけ?と調べたところ、どうやら2020年4月からの新たな枠とのことでいきなり沼に引きずり込もうとしているではないか。

 

制作は動画工房、そこに藤原佳幸監督の文字列。ほら完全に沼からこっちに手招きしている。

そして観終えたら後の祭りで、沼から皆さんをじーっと見つめているのが僕ですこんにちは。そんな沼アニメのあらすじから、3話まで観た感想を述べていきたい。

 

大学卒業後、定職に就かずコンビニでアルバイトをする日々を過ごす陸生の元に、カラスを連れたミステリアスな少女・晴が現れる。晴の破天荒な振る舞いに戸惑う陸生だったが、大学の同期で想いを寄せていた榀子が地元から東京へ戻ってきていることを知り、彼の人間関係が少しずつ変化していく…。

 

1話「社会のはみ出し者は自己変革を目指す」では陸生と晴の出会い、榀子との再会そして告白を描いていくのだが、あっという間の時間だった。それほどまでに、初っぱなから惹かれてしまった。

 

コンビニの裏口で廃棄弁当をカラスにあげる陸生。

現代社会においてカラスはゴミをあさって辺りを散らかすイメージが強いことから、どちらかというとマイナスな印象を持たれる方が多いだろう。自らを落ちこぼれだと自覚する陸生が、マイナスイメージもあるカラスと場を共有する。彼の後ろ向きな面持ちを象徴する場面だ。

 

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©冬目景/集英社イエスタデイをうたって製作委員会 

 

だが陸生と晴との出会いは、そんなカラスへの餌やりの場。そしてその瞬間にカラスは羽ばたき、風が吹く魅せ方は実に運命的である。

 

座っている陸生が声のする方を見上げるとカラスの羽が舞い、ローアングルから映る晴。コンビニの裏口という暗がりから、晴の方を見上げると青空が見える。

まさしく、将来の目標もなく焦燥感に駆られる陸生が晴の出会いでこの先の未来が見える、そんなこのシーンでの緻密な作りにハッとさせられた。何気ないカットに「何かが始まる」と気付かされたわけだ。

 

さらには本作はリアルな描写が多くて、切り取った日常を魅力的に描いている。登場人物のセリフや仕草、背景のタッチに色使い…制作陣の細部までこだわった丁寧な仕事に頭が下がる。

 

登場人物の視線の投げ方や指先のちょっとした動きだったり、そんなささいな仕草にすら感情が色濃く表れていて本当に見事だ。

 

秀逸なシーンのひとつが、1話での陸生の告白シーン。戸惑いを見せる榀子だが、その瞬間に表情を描かず、後ろ姿を映し込む。手を後ろに組んで、言葉も少しの間をあける。

 

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©冬目景/集英社イエスタデイをうたって製作委員会 

 

言葉を発さずとも空気感で登場人物の感情を浮き彫りにする。だからそれらを感じた時の余韻が凄まじいし、直接心に訴えかけてくるような力があり、ノスタルジックな気分に浸らせてくれる。ここぞという時の目元だけのカットも印象強く、直接的な描写をしない美しさが作品に深みを与えているように思う。

 

2話『袋小路』では榀子の幼馴染の浪が引っ越してくることで、四角関係に切り替わるだけでなく、榀子の過去についても明らかになる。1話で感じていた違和感や含みを心で紐解きにかかる。榀子の抱える過去と想いは、公園に咲き誇る桜の美しさに反して辛いものだった。

 

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©冬目景/集英社イエスタデイをうたって製作委員会 

 

それでもやはり晴が榀子に宣戦布告するシーンは物語を動かしていくと同時に、あっけらかんとして陸生に接する晴と、恋愛に対して脆さのある榀子の人物像の対比を明確にしている。

 

一見、なんてことのない日常のようで、登場人物の感情の揺れは様々だ。その時々で感情移入する人物がどんどん移り変わる。

彼らの言動に共感することもあれば反発したい気持ちもあるし、ふとした時に心をぐさりと突き刺してくるようなセリフもあって油断ならない。生まれては消える心の波紋を、繰り返し感じられる人間ドラマも、実に惹き込まれる作り込みだ。

 

時代背景が少し前なので連絡手段も電話くらいのもので、結局のところ会って話すのが1番だったりする。それが3話「愛とはなんぞや」で痛感するわけなのだが。

 

待ち合わせ場所に人が来なければ公衆電話から自宅にかけるしかない、そんな時代。だからこそ生まれる物語があるし、芽生える感情がある。

連絡手段に乏しさも侵した失態に拍車をかけてしまった陸生。一方で、あえて連絡先を聞かずに心の逃げ道を作っていた晴の繊細さも見え、またひとつ彼女の女性らしさが見えた気がした。

 

晴は陸生に見返りは求めないと言いながらも、相手にとって重いと思われるかもしれないという自覚もあるから、常に心に余裕を持つようにしながら明るく振る舞っている。人間らしさがどんどんと溢れて、話数を追うごとに魅力を増しているからすごい。

 

そして、それらを内包して演じるキャスト陣。登場人物らの内面を汲み取りながら行う芝居の連続に、大きな魅力がこれでもかと詰まっている。誇張のない人間味のあるセリフが多い作品だが、キャスト一人ひとりのリアルな演技がこの作品には息づいている。

 

監督もある程度は演技の方向性をキャストに任せているところがあるらしく、例えば時代背景が少し前となっているためセリフをあえて古風な言い回しに変えてみたり。そうやってアフレコをして構想を膨らませるなんてこともあるのだそう。

 

ところで、陸生が想う相手である榀子だが、見え隠れする毒にクラクラしてしまうのは自分だけだろうか。

何というか、いちいちツボを刺激してくる感じがして非常に危うい。歳下だけど、さん付けしたくなる。歳下だけど、君って呼んでほしくなる。できれば「君」じゃなくて「キミ」って呼んでください。

 

陸生が行かなかった同窓会の帰りにアルバイト先のコンビニに立ち寄り、残った料理を片手に「私がいない間ちゃんと食べてた?」と心配してくれる榀子さん。こんな人います?健気なのか計算なのか…それが分からない今、既にその毒に侵されているのだ。

 

バイト終わりの陸生をさりげなくファミレスに呼びつける榀子さん…。さっさとタイムカードを切ろう。いいよ、レジに並んでる人はほっといて。

 

回想で「私はね、教師になりたいんだ!」と夢を語ってくれる榀子さん。なんて明るい未来なのだろう。合掌。

 

「授業サボっちゃダメだよ?」とたしなめる榀子さん…なんて面倒見の良い女性なんだ、その一言のためにサボり続け単位を落とす覚悟が出来た。

 

ファミレスの帰り道、「この辺りをさ、学生の時夜中歩いたことあるよね」と思い出話をしてくれる榀子さん…その思い出こそが僕を強くしているよ…。

 

さりげなく「面倒を見ないといけない気にさせられるのよね」とか言ってくる榀子さん…し、榀子さん…それって……?????????????

 

榀子さんを家まで送り届ける陸生。

榀子「送ってくれてありがとう」

陸生「あぁ…榀子」

榀子「うん?」

陸生「また寄ってみてくれよ」

榀子「うん…そうだね(←ここの若干のウィスパーボイスが最高すぎて最高)」

ぼく「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ァァァァァァァァーーーーーー!!!!!!!!!!!!」

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©冬目景/集英社イエスタデイをうたって製作委員会 

 

そんなわけで、アニメ『イエスタデイをうたって』の沼に見事に足を取られている。みんな、ここの沼はいいぞ。

 

どうか『#おうち時間』を有意義に。