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映画、アニメ、漫画、音楽などの雑記。ファーストインプレッションを大切に。

映画

私的2022年映画ランキング:ベスト10

年末です。ベストを決める時期です。やっていきましょう。 今年は仕事が多忙を極めまして、映画業界へのアンテナが低かったこともあり、鑑賞本数も少なくなってしまいました。ただ、前情報だけで琴線に触れるような作品自体が減った感覚があって、コロナ禍で…

映画『五等分の花嫁』感想/描かれる「五つ子の呪縛」からの解放

(c)春場ねぎ・講談社/映画「五等分の花嫁」製作委員会 五つ子であることは、それが恋敵となるや否や「呪縛」になる。 映画『五等分の花嫁』の公開にあたり本作をアニメにて履修したのだけれど、話数を重ねる度にそう思わざるを得なかった。 連載最終話のタ…

私的2021年映画ランキング:ベスト20

2021年は昨年に比べると映画館の営業も徐々に活発化していき、公開延期となっていた作品も少しずつ日の目を見るようになってきたように思います。 今回は2021年の映画ランキングです! 昨年に比べ劇場での鑑賞本数は減ったのですが、今年も多くの良い作品に…

『劇場版 ソードアート・オンライン -プログレッシブ- 星なき夜のアリア』感想/結城明日奈がアスナとしての覚悟を決めるまで

(C)2020 川原 礫/KADOKAWA/SAO-P Project 私が私でいるため。このゲームには負けたくない。 本作『劇場版 ソードアート・オンライン -プログレッシブ- 星なき夜のアリア』は、そんなアスナの言葉と覚悟の上に成り立つ物語だった。現実と虚構の狭間で、彼女は…

『劇場版 Free!-the Final Stroke-前編』感想/七瀬遙は大人になるにあたり何を想い泳ぐのか

(C)おおじこうじ・京都アニメーション/岩鳶町後援会2021 七瀬遙は大人になりつつある。 シリーズを通して、ただ泳げればそれでいいという姿勢から、仲間と繋ぐリレーの楽しさを知り、勝つ喜びを噛み締めることで競技としての水泳に熱を持つようになった遙。…

『劇場版 少女☆歌劇 レヴュースタァライト』感想/キラめき求めて少女は再生産する

おい、オタク共。 あまりふざけすぎるなよ? 『劇場版 少女☆歌劇 レヴュースタァライト』。公開されるやいなや絶賛の嵐。レビューサイトでも軒並み高評価。ツイッターでも興奮冷めやらぬ様子の感想が流れてくる。 いくら何でもやりすぎだ。印象操作のために…

『ブラック・ウィドウ』感想/ナターシャの生き方を肯定したのは家族だったということ

当初の予定日からおよそ1年2ヶ月経ってからの『ブラック・ウィドウ』公開。スクリーンにおかえりなさいMCU。 『エンドゲーム』後のMCUの世界観はドラマシリーズと並行して展開されていくわけだけど、コロナの影響で公開の延期や順番の変更などがあって、『ブ…

『シン・エヴァンゲリオン劇場版』はファンひとりひとりの作品でした

『シン・エヴァンゲリオン劇場版』を公開初日に観てきました。いやはや、このような形で描き切るとは。感無量でした。 心の準備が出来ているのかどうなのか、自分でも分からないままその日を迎えていましたが、何を見せられても出来る限り受け止められればい…

アスカの幸せを願うオタクはシンエヴァに何をみるか

(c)カラー 漫画でもアニメでも一生懸命なキャラクターが好きだ。必死に、ひたむきに、がむしゃらなキャラクターが好きだ。そういった熱意というか真っ直ぐさというか、人間らしい芯の部分が見えるキャラクターの輝きというものは、愛すべきものだと思う。 僕…

私的2020年映画ランキング:ベスト30

コロナ元年がぼちぼち終わろうとしてますけれどもね、つまりはベスト作品を選び散らかしていく時期がやってきたということであれこれ選んでおりましたところ、気づいたら30作品ほど並んでおりまして。 2020年は186本鑑賞、うち今年公開作品は76本鑑賞。昨年…

『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン』感想/「愛」を示すみちしるべに涙する

当初は制作可否すら不透明だった中でこうして公開に至ったことに感謝の念を強く感じると同時に、作品に携わった全ての方々に敬意を表します。 本作を鑑賞して強く感じたことは、この上なく示された「愛を知り伝えることの尊さ」でした。 アニメシリーズでは…

『ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語』感想/幸せの多様性を現代でも提示してくれる名作がここに

ルイーザ・メイ・オルコットによる世界的名著『若草物語』は子供の頃に読んだことがある程度で恥ずかしながら映像作品はこれまで触れてこなかったのだけど、鑑賞後には過去作品にも触れたいと思うほどに『ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語』は…

『デッド・ドント・ダイ』感想/緊急事態宣言解除後の現在に刺さる風刺作だった

緩やかに日常を取り戻しつつも、自粛ムードは続く情勢。それでも緊急事態宣言の解除を受けて、コロナ禍の影響を受けていた映画業界も徐々に動きを見せてきた。公開が延期されていた新作の公開日発表や映画館の営業再開など、映画ファンとしては嬉しい知らせ…

公開予定の映画20作品へ期待を寄せて

まだまだ予断を許さない状況ではありますが、緊急事態宣言の解除を受けてこれまでの日常が少しずつ戻ってくる希望が見えてきたような気もします。自分自身、家で過ごすことにストレスを感じないタイプの人間なのでコロナ禍においてもそれなりに在宅ライフを…

『トイ・ストーリー4』はシリーズを否定するほどの駄作なのだろうか

僕自身ディズニーやピクサーの作品で育った人間ではないのだけれど、その精巧な作りに加えて笑いも涙も誘う『トイ・ストーリー』シリーズは小さい頃から何度も繰り返し観てきた。そんな馴染みのある作品だ。 『トイ・ストーリー4』の制作が発表された時、世…

フェーズ4の公開日変更も決まったことだしMCU俳優主演のおすすめ映画5本を紹介する

何かと理由をつけてMCU出演俳優が主演を務めるおすすめ映画を紹介するコーナー第2弾のお時間が今日もやってまいりました。 先日、MCUフェイズ4の1作目にあたる『ブラック・ウィドウ』の公開延期を受けてシリーズ出演の俳優陣の主演映画を5本ピックアップした…

『タイラー・レイク -命の奪還-』感想/ひとりの傭兵が戦う先は罪からの解放

『アベンジャーズ/エンドゲーム』のアンソニー&ジョー・ルッソがプロデュース、MCUではソーを演じたクリス・へムズワースが主演として話題の『タイラー・レイク -命の奪還-』がNetflixにて配信となった。 このような情勢ということもあって新作映画が次々…

自宅で旅行気分を味わいたいあなたにおすすめのロードムービー10選

自宅で過ごす時間はまだまだ続きそうな今日この頃。きっと連休の予定を延期したりキャンセルしたりという方も多いのではないでしょうか。 気分が落ち込みがちになりますがそんな時だからこそ笑って過ごしたいよね、ということで先日おすすめのコメディ映画を…

『ジョン・ウィック:パラベラム』で愛の記憶のために生きる男のスタイリッシュさが桁違い

研ぎ澄まされたアクションの数々で話題を呼んだ『ジョン・ウィック』シリーズの3作目となる『パラベラム』を公開直後以来に鑑賞したのだけれど、テレビサイズの映像でさえ溢れんばかりの魅力に感嘆してしまった。 妻を病気で失い、愛犬を殺され、何も残って…

こんな時だからこそ笑いたい人へのおすすめコメディ映画10選

色々と自粛ムードの中で、家で時間を持て余したり、やりたいことが出来ずにストレスを感じる人も多いと思うんですよ。 逆に普段やらないことや、後回しにしていたことに手をつけてみようかななんて思ったりもするんですけど、最近はもっぱら自宅で映画を観る…

初めての4DXで尻がトランスフォームした話

4DXで映画を観たことは1度しかない。 通常の2Dと違い、4DXは映画のシーンに合わせてモーションシートが動き、水や風が吹きつけるほか、匂いや煙りまでもが出て作品を演出する。まさにアトラクションのような体感型映画を実現させるわけだが、日本の映画館に…

『ブラック・ウィドウ』公開延期の悲しみに暮れながらMCU俳優主演のおすすめ映画5本を紹介する

コロナウイルスの影響で公開延期となる大作映画が続々と出ていた中でついに『ブラック・ウィドウ』もその煽りを受けることが決まり、悲しみのあまりキャプテン・マーベルに助けを求めています。 (c)Marvel Studio 2019 まぁ延期は目に見えていたこともありMC…

なぜ『ミュウツーの逆襲 EVOLUTION』は『ポケットモンスター キミに決めた!』になれなかったのか

今夏公開予定の『劇場版ポケットモンスター ココ』の情報が続々と出てきている。 完全オリジナルとなる新作映画にはやはり期待してしまうと同時に、個人的には昨年のリベンジを果たしてもらいたいという思いが強い。 それほどまでに、昨年公開した『ミュウツ…

「期待しすぎてしまうこと」が怖い

昔から物事に対するハードルの上げ下げが極端でして。 下げる分には失望することも少ないが、上がったハードルを超えてくることというのはやはり難しい。ハードル上下の幅が広いとなおさらだ。 評判が良いととにかくハードルがぐんと上がり、いざ触れてみる…

『劇場版 SHIROBAKO』で宮森がヨーソローする姿に同世代として感銘を受けずにはいられない

先週のことにはなるが、劇場版『SHIROBAKO』を観てきた。 テレビシリーズを見返して学生時代の放送当時に胸を熱くしていたことを思い出しつつ、社会人としてキャリアを積んでいる最中の現在だと見方の幅が広がったことを実感する。自身が働く者として作中の…

劇場版公開を前に『SHIROBAKO』を見返して感じた、仕事に情熱を燃やす人の美しさ

劇場版の公開を前に『SHIROBAKO』を見返したのだけれど、当時テレビ放送をしていた頃と自分の見方がまるで変わっていて驚いた。 放送当時は本作の主人公・宮森あおいが武蔵野アニメーションの制作進行として作品を完成させるまでの目まぐるしい展開に一喜一…

『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』感じたのはフォースではなく、大人気作品が受け入れ難い展開をしてしまう悔しさだったという話

僕の中で『スター・ウォーズ』シリーズというと、映画界における帝王の位置付けにあたる。それは世界中での圧倒的な人気っぷりやファンの持つとてつもない熱量、それを証明する桁違いの興行収入など、様々な要因によるものであり、小さい頃からのイメージで…

私的2019年映画ランキング:ベスト10

2019年も様々な素敵な作品に出会うことができました。洋画ばかりに目がいくこともあって結局のところ劇場鑑賞は週1ペース程度でしたが、観たいと思っていた作品はほぼ鑑賞できたのではないでしょうか。 今年は『アベンジャーズ』『スター・ウォーズ』といっ…

“MCUのスパイダーマン”の魅力が留まるところを知らない

©2019 Sony Pictures Digital Productions 2019年の映画ベスト10をまとめている最中なのですがその前に、今年最も感情移入してしまったキャラクターについて話をさせてほしい。 ピーター・パーカー。後にスパイダーマンとしてヒーローの道を歩む彼がたまらな…

映画『ジョーカー』の大ヒットにアーサーの笑い声が聞こえる

すっかり年の瀬だが、2019年の映画界において印象的だった作品を思い返してみると、やはり『ジョーカー』は外せない。楽しいとか面白いとかそういった感情ではなく、とにかく頭の隅に居座られているような感覚。鑑賞後の感情をどこかにぶつけたくて誰もがネ…