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映画、アニメ、漫画、音楽などの雑記。ファーストインプレッションを大切に。

私的2022年映画ランキング:ベスト10

年末です。ベストを決める時期です。やっていきましょう。

 

今年は仕事が多忙を極めまして、映画業界へのアンテナが低かったこともあり、鑑賞本数も少なくなってしまいました。ただ、前情報だけで琴線に触れるような作品自体が減った感覚があって、コロナ禍で撮影や公開が延期になった狭間の時期だというのも関係しているのかなという気がしています。

なので結果的に王道エンタメ作品の鑑賞割合が多くなりました。観たい作品もまだありますしかなりにわか感のあるラインナップになったので現時点でまとめることには多少抵抗はありますが、やはり形に残しておきたいなということで、ベスト10で選んでいきます。

 

おととしはベスト30、昨年はベスト20でやっていたので、ベストに入れられるほどの作品を観るだけの余裕がどんどんなくなっているのが顕著ですが…。

そんなわけでどうぞ。

 

 

▼私的2021年映画ランキング:ベスト20はこちら

kuh-10.hatenablog.com

 

 

  10位『シン・ウルトラマン

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巨大不明生物が次々と出現し、政府は禍威獣特設対策室・通称「禍特対」を立ち上げるもいよいよ打つ手がなくなる日本。しかし、人類の存亡が危ぶまれる中で1体の銀色の巨人が現れる。

 

歴史あるシリーズへの目配せをしながら散りばめられているであろう小ネタやオマージュの数々は、元ネタを知らずとも何かを察し思わず口角が上がってしまいます。

時代の流れで過去作品と本作との描き方や捉え方も移り変わる部分はあるでしょうけど、根っこにある作品へのリスペクトを感じられたのが何より良かったです。

 

 

 

  9位『劇場版 Free!-the Final Stroke- 後編』

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世界に向かって羽ばたいていく競泳選手達はそれぞれの課題に向き合いながらも、中にはもがき苦しむ者もいた。自分はなぜ泳ぎ、どこに辿り着きたいのか。放送から9年に渡り描かれたシリーズ完結作。

 

とにかくシリーズを支えたファンへの感謝を感じさせる作品だったと思います。それだけに、強引さのある筋書きはもったいなくもありましたが、キャラクターそれぞれにきちんとスポットライトを当て、気配りあるシーンの数々には有り難さが募ります。時には観客への想像に任せる演出も憎い。

たくさんのリスペクトが詰まった作品に仕上がっていたことは間違いなく、ゆえにシリーズへの向き合い方で評価の変わる1本だと感じました。

 

 

 

  8位『モービウス』

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血液の難病を治療するために自らの身体にコウモリの血清を投与した天才医師。病気が回復する目覚ましい結果となる一方で身体には変化が現れ、やがて血液を欲するようになる。

 

全体を通してストーリーのテンポがとにかく良く、ホラー演出も光って序盤の見せ場から一気に引き込んでくれました。モービウスの野生的なビジュアルもとても良かったですし、劇場での暗い空間と相まって恐怖心を煽られるのも没入感に繋がりました。

ただ、この作品は予告編で少し見せすぎましたね。初見であれば思わず拳を握ってしまいそうなシーンやセリフが予告編で既に流れていたので、サプライズは少なかったように感じます。とはいえ、今後の展開は楽しみです。

 

 

 

  7位『ドクター・ストレンジマルチバース・オブ・マッドネス』

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新たな脅威が迫り、謎に満ちたマルチバースの扉を開くこととなる最強の魔術師。宇宙の運命は再び彼の手に託される。

 

これまでのMCUとは少し違ったテイストで描かれる本作は、音・水・色などを巧みに操り世界観が壮大に表現されていました。テンポが良い反面どうしても説明不足な点も感じつつ、しかしそれ以上に演出やキャラクターの対比構成が上手く、思わず前のめりになってしまう1作品でしたね。

 

上映があっという間に感じられる没入感とそれ相応のカタルシスがしっかりあり、それでいてホラー作品のような胸の高鳴りもあって、単なる筋書き以外に面白みを感じられる映画でした。

 

 

 

  6位『THE FIRST SLAM DANK』

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バスケット漫画の金字塔『スラムダンク』が原作者である井上先生を監督・脚本に据えて帰ってくる。

 

モーションキャプチャーやCGを用いての試合描写はその場にいるかのような凄まじい臨場感を与え、試合結果は知っているのに手に汗握ってしまいました。試合展開に呼応するように回想を重ねラストに熱さを帯びさせる流れは胸にグッとくるものがありました。

クオリティーは申し分ないと思うので、あとは『SLAM DANK』への感情の強さで評価の振り幅が出てくるのではないでしょうか。

 

 

 

  5位『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』

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地球から遥か彼方の惑星。先住民と人類の戦いから10年が経ち、世界には平和が戻っていた。だがそこには新たな脅威が迫り、森を終われた家族は海の部族に助けを求める。

 

映画界に革命を起こしたとも言える前作。近年、CG技術はどんどん向上してはいますが、やはり『アバター』という作品の繰り出す映像美は他の作品と一線を画しています。なんというか、圧倒的です。

ストーリーも各登場人物にスポットを当てながらいくつものテーマ性を持った描写が重なるので、ベタな展開ながらしっかりと面白いんですよ。長尺ながら間延びせず、しっかりとまとまっている。このへんはやはり監督の手腕じゃないですかね。

 

 

 

  4位『コーダ あいのうた』

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耳が不自由な家族の中で唯一耳が聴こえる女子高生が合唱部への入部したことをきっかけに顧問の教師に歌の才能を見い出される。名門音楽大学への受験を勧められる彼女だったが家族の理解を得られず、夢と現実の狭間で葛藤を重ねていく。

 

音のある世界とそうでない世界をメリハリを持って演出されており、またドラマとコメディのバランスの良さが凄まじかったです。切なくも笑いもあり、観終わった後に胸にじんわりと温もりが残るそんなしっとりとした作品でした。

 

 

 

  3位『すずめの戸締まり』

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災いを呼ぶ後ろ戸を締めるため、偶然出会った少女と青年が全国を巡り「閉じ師」としての役目を果たしていく。

 

この作品、物語の導入にスピード感があるので引き込まれたらあとは鑑賞する側の好き嫌いだけなんだろうなと思います。緩急がついているのでだれることがなく、また所々で目頭が熱くなるシーンやセリフも散りばめられていて終始見入ってしまいました。

 

何気ない日常の愛おしさや尊さを上映時間いっぱいに教えてくれるメッセージ性とエンターテインメント作品としてのバランスの良さが際立った1本。
あくまでも震災の被害が大きくなかった側の感想なので、そうでない人からすると手放しで褒められるものではないかもしれませんが、それをふまえて制作に至った覚悟は感じます。

 

 

 

  2位『トップガン マーヴェリック』

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選ばれしパイロットの手腕を持ってしても不可能に近いミッションを遂行するため、伝説のパイロットが教官として戻ってくる。型破りな教官と訓練生らは反発しながらも国のために空を飛ぶ。

 

前作へのリスペクトがとにかく凄い。しかしそういった部分にあぐらをかくことも決してなく、シャープな本筋の中でも感情を揺さぶってくるんですよね。

30年以上を経て続編を撮ることに思うところもあったんですけど、今だからこそ製作に踏み込んだのだと納得のいく1作でした。年が違えば間違いなくベスト映画でしょうね。

 

 

 

  1位『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』

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スパイダーマンとしての正体を暴かれ日常が一転してしまったピーター・パーカー。その影響でマルチバースの扉が開かれ、このユニバースに脅威が迫ることとなる。

 

これぞ究極のファンムービーと言ってしまって良いのではないかというサービスの数々に感涙。長尺を感じさせず、ストーリーの展開と共に劇場が泣き笑い、時にはハッと息を飲む雰囲気も至高の映画体験でした。

2022年の映画は本作に始まり、ベストになりそうだという予感はありましたがそのまま堂々の第1位です。今年1番観た映画じゃないかな。

 

 

以上、2022年映画ランキングベスト10でした。

1位の『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』は過去のシリーズやMCU作品群の流れを組みつつの本作だったので、評価軸でいけばまた変わる部分もありますが、「好き」にフォーカスすればダントツだったように思います。これだけのファンムービーを目の当たりにできたこと、嬉しい限りです。

他にも、観たいけどまだ観られていない作品もいくつかあるので徐々に触れていくつもりです。

 

来年も素敵な作品に出会えることを願って。