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映画、アニメ、漫画、音楽などの雑記。ファーストインプレッションを大切に。

『BURN THE WITCH』2話感想/表と裏の世界の渦に相も変わらず目が離せない

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(C)久保帯人集英社・「BURN THE WITCH」製作委員会

 

部活や塾の帰りにジャンプを読んで帰るという生活は10年以上前に終えてしまったこともあってここ数年ジャンプの作品を読む際は単行本を買っていたのですが、『BURN THE WITCH』の連載開始と共に月曜日が楽しみになりました。

 

週明けは仕事が立て込みがちではあるものの、それをふまえても月曜日を謳歌している感じがあって良いですね。(実際は死んだ目でデスクに向かっている。)

 

kuh-10.hatenablog.com

 

さて、ニニーが表世界で所属するCD2(セシル・ダイ・トゥワイス)に関するニュースから幕を開けた2話。

 

読めば読むほど、あと2話で終わるのかという疑念が強まります。

封が切られた映画のPVで読切版や1話のシーンがあったので、公開のタイミングを考えると上手い具合に劇場版と繋げていくのかなとも思ったりしますが。

 

冒頭、CD2のメンバーのひとりであるメイシー・バルジャーが1週間前に突然の脱退を発表し、さらにはニニーがメイシーをこき下ろしたとされる動画が流出したと報道されます。

 

それをテレビ越しに見守るの影。姿は描かれませんが、テレビを壊した者をエリーと呼んでいることからもメイシーであると思われます。

 

エリーと呼ばれているそれは後にドラゴンであることが明らかになりますが、メイシーはここでエリーに触れていることから既に「ドラゴン接触禁止法」に違反していることなります。

1話で説明がありましたが、ドラゴンに接触することで体内に「ドラゴトキシン」と呼ばれる物質が蓄積され、一定の数値を超えることで「ドラゴン憑き」となるわけです。

 

また、ドラゴンは接触した人間の負の感情を徐々に吸収して「ダークドラゴン」となることも説明がありましたが、報道を見て何らかの感情を覚えたメイシーに反応したエリーがテレビを壊していると取れます。これまでのストーリーから推測できる不穏な導入と事件への伏線が清々しいほどにスタイリッシュです。

 

一方ののえる。生活の一部を切り取ったコマからは、そこがのえるの部屋ではないかと見て取れます。ここでドラゴンに関する説明が再びされていましたが、読切版や1話での内容とは異なるドラゴンの種類がありましたね。2話ではライフラインの一端を担っているドラゴンの紹介が多い印象を受けました。

 

電波中継や交通機関といった部分までその影響が及んでいるとは、思いのほか近代的なんですね。また、植物栽培をする「プランティポッティ」の表情の豊かさやその役割には、どこかの魔法使い達の世界観を彷彿とさせずにはいられません。実際のところのえるやニニーは魔女であるわけで、想像以上に魔法の世界が投影されているのがリバース・ロンドンなのだと感じました。

 

そんな感覚に追い打ちをかけるかのように、表の新聞に魔法認証(マジックスキャン)なるものを行うことでバルゴにリバース・ロンドンの新聞記事を読ませるのえる。

詠唱とマジックにばかり気を取られていましたが、魔法の力は様々なようですね。ここでの魔法は、のえるの力によるものなのか、それとも新聞にかけられた魔法が魔女によって呼応したものなのかは分かりませんが、まだまだ息を飲むような魔法が登場しそうな予感があります。

 

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『BURN THE WITCH』第2話「Ghillie Suit」より

 

ところで、ここでののえるの家はドラゴンがいることからリバース・ロンドンであると判断できるわけですが、彼女らの主な生活圏は表ではなくリバース・ロンドンなのでしょうか。

 

のえるもニニーも表からリバース・ロンドンへ行く際に「出勤する」と口にしていたので、表での生活が基準にあり、その上で任務があればリバース・ロンドンに向かっているのだとばかり思っていました。

 

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週刊少年ジャンプ』2018年33号より

 

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『BURN THE WITCH』第1話「WITCHES BLOW A NEW PIPE」より

 

表ではのえるは学生、ニニーはアイドルとしてそれぞれ本業があるわけなので、表との生活と仕事を円滑に行うために魔女にはリバース・ロンドンで住まいが手配されるのか。

 

それとも、「裏の建物を壊せば表の建物も同じように壊れる」らしいので、表と裏の家の場所は全く同じで、どちらの世界にいるかによって置かれている物や機能性に違いがあるのでしょうか。

 

そのあたりは本筋と大きく関わるか分かりませんが、いずれにせよリバース・ロンドンでドラゴンが暴れて建物が壊されれば表でも同様に建物が損壊することを考えると、「トップ・オブ・ホーンズ」が市内にダークドラゴンの侵入を許した事態を重く受け止めるのも納得はできますよね。そのせいでバルゴの処遇をどうするかという議題があがり、ブルーノが動き出したわけですから。

 

しかしまぁ、家でドラゴンと戯れるのえるは表情がいつもより豊かに見えます。ラフな格好もギャップで良いですし、ニニーとの関係性が垣間見れるのもグッとくるものがあります。

ニニーからの電話で表示されるアイコンは、日常でのえるにカメラを向けられた彼女の素の表情に他なりません。人からの視線を常に浴びるアイドルであるニニーがあのように照れているのは、のえるへの好感の証といえるでしょう。

 

また、主任からの休日出勤を言い渡され断りを入れるも、報酬とポイントの羽振りの良さを聞いて互いに任務に向かうことを察するのも、信頼の高さと意思の疎通が良好であることを示しているわけですね。

 

任務に駆り出されたのえるとニニーは、エリーと呼ばれるドラゴンを従えたメイシーと遭遇します。エリーの力で建物を破壊するメイシーのその口ぶりから彼女を裏で操る存在が見え隠れしますが、この場にブルーノが姿を現すのも何か関係性があるかもしれません。

 

元はと言えばのえるとニニーの管轄外である爆発を目にしたことで現場であるザ・リアリスツの社屋に来たわけですが、その場に急行するであろう2人の性格を知る者が手引きをしていたのだとすれば、そこにブルーノを居合わせるように仕組むことも出来たはずです。それがバルゴの処遇について決定を下す、もしくはその動向について報告を受ける立場にいる者であれば…と考えなくもありません。『BLEACH』の藍染惣右介のこともありますからね。

 

兎にも角にも相変わらずの引きの上手さで痺れました。目いっぱいに風呂敷を広げることのできない残り話数だと考えると、落とし所やその先の展開は気になるばかりです。

 

それが起こるということは危険のサインとも言えますが、やはりバトルシーンを見たいというのが正直なところ。3話も楽しみです。