てょログ

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映画、アニメ、漫画、音楽などの雑記。ファーストインプレッションを大切に。

自粛期間に想いを馳せる貴方の名はあいみょん

音楽を聴く時はほぼ同じアーティストのリピートばかりの僕が、疫病の蔓延による緊急事態宣言が出る前くらいからそれをしていない。

 

というのも、結局のところイヤホン越しに聴く音楽はどうしたって生音で体感したいと思ってしまうので、ライブやイベントがバタバタと延期あるいは中止となっている今、それが叶わない苦しさから目を背けたいというわけだ。

 

だが、いつもの彼らの曲をあえて聴かないようにしつつも定期的に音楽を聴く習慣は変わらず存在する。であるならば、せっかくだし普段聴かないアーティストの音に触れてみようという思惑だ。

 

案外、周囲が色々な楽曲を聴いているのだなと思うこともあり、そういった話題にイマイチついていけない自分をどうにかしたかったのも事実なのでちょうど良かったのかもしれない。

 

実際、年末に差しかかるとツイッターではその年のお気に入りの楽曲をピックアップする流れが自分のタイムライン上では数年前からあるわけだけど、社会人になりアニメやドラマの視聴数が激減した頃からそういった話題には疎くなっていた。そう考えると至極真っ当なことではあるが、作品のタイアップというのは偉大である。

 

同じライブに行っている友達の口からたまに他のアーティストの名前が出てくることもあり、2020年は聴く音楽の幅を少し広げてみようかと考えていたのも原動力だと言っていいだろう。

 

さて、そうなるとまずはどのアーティストから入っていこうと考えるのだけれど、自分が今もなお好きなアーティストとの出会いを思い返してみると、デビューして間もなく知ったパターンばかりだと気付く。

 

何年もライブに足を運んでいるバンドも、声優アーティストも、ユニットも。偶然にも僕はデビュー直後に歌を聴き、ライブに行き、周りに好きだと公言していた。だから何枚もCDをリリースして、アルバムだって制作して、ライブを重ねてある程度売れて、そこで初めて知ったアーティストの過去の楽曲を掘っていくということは経験として少ないかもしれない。幸いにも、いずれもデビューして間もない偶然の出会いが重なっているようだ。

 

ファンの数も多いとは言えない時点でのアーティストの1stワンマンやツアーといった「初めて」を共に体感していく喜び。徐々にオリコンチャートの順位を伸ばし、世間に認知されていく様をリアルタイムで感じられる興奮。インタビュー記事だってライブのMCだって、過去を知るからこそ得られるエモーション。

知るタイミングが早ければ早いほど、それらを感じられるのではないかと思う。

 

話が逸れたようにも思えるけれど、そういった古くからの認知というのは、逆に楽曲やアーティストの発掘する気を削ぐ感覚もある。ずっと聴いている曲で、満たされてしまうから。

 

さて、やはりトレンドのアーティストから入るのが無難だろうということで、流行りのアーティストとして思いつく人達を並べてみる。音楽チャートを調べたり、サブスクを覗いてみたり………。

 

……。

 

…。

 

 

そして、選ばれたのはあいみょんでした。

複数のアーティストを順々に聴いてみたら良いものの、不器用なのか何なのか、ここのところあいみょんばかり聴いている。

 

改めて聴いてみると知ってる曲もたくさんあり、とても耳触りが良い。映画やドラマ、CMなどに使用されている曲の多くはポップでキャッチーな詩と歌の数々が耳に残り、1日中ずっと頭から離れず、やがて心を掴まれていることに気がつく。『マリーゴールド』『今夜このまま』『ハルノヒ』などここ2年くらいの表題曲は特に、老若男女問わず好まれるであろうポピュラーでありながらもどこか懐かしさを含んでおり、スッと心に落ち着くのだ。

 

かと思えば『好きって言ってよ』『〇〇ちゃん』など、男が冷や汗をかいてしまうような、女心をさらけ出した剥き出しの愛を歌い放つことだって少なくはない。それこそインディーズデビュー曲の『貴方解剖純愛歌〜死ね〜』なんてその筆頭だろう。

 

詩における愛情の振り切り方に留まらず、例えば『生きていたんだよな』なんかも歌い出しから首根っこをガッと掴まれて、聴くまで無事に帰さんと言わんばかりの世界観への引き込み方をする。感覚として、“世界観に惹かれそちらに歩き出しているのに、向こうからも引きずり込んでくる”ようなイメージ。

 

さらには、曲によってはとてつもなく官能的で艶めかしさを秘めていたりするから、本当に油断ならない。『満月の夜なら』はまさにその筆頭で、歌い出しからもはや官能小説。しかし、歌詞に「エロ」「セックス」なんて普通に入っている曲もある中で、全然嫌なエロさではなくてむしろ芸術性を感じさせるところが彼女の凄さだ。

直接的な歌詞を切なげに歌ったかと思えば、比喩を用いた歌詞を挑戦的に声に出すこともする。ワードチョイスと歌い方の絡ませ具合にこれでもかとセンスをほとばしらせている。

 

人の生き方やそこで感じる鬱憤、青春時代に生まれた恋愛感情などを投影して、曲に落とし込む技術とセンス。多角的で幅のある楽曲を作り、歌い上げられることこそがあいみょんの大きな魅力のひとつなのだろう。

 

この若さで豊かな感性を持ち合わせ、情景の切り取り方も抜群に上手い。ライブでの演出はどのようなものなのだろう。MCではどんな話をするのだろうか。セトリの繋ぎも気になるな。

 

普段聴くアーティストの音楽によって当分行けないライブへの欲から逃げ出そうとしたのに、逃げたその先でまたもや同じ衝動に駆られているようでは元も子もない。

いつかワンマンライブへ行こう。そんないつかを思い描いての「#おうち時間」の近況。

 

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