10versLible

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映画、アニメ、漫画、音楽などの雑記。ファーストインプレッションを大切に。

『ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語』感想/幸せの多様性を現代でも提示してくれる名作がここに

ルイーザ・メイ・オルコットによる世界的名著『若草物語』は子供の頃に読んだことがある程度で恥ずかしながら映像作品はこれまで触れてこなかったのだけど、鑑賞後には過去作品にも触れたいと思うほどに『ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語』は…

『デッド・ドント・ダイ』感想/緊急事態宣言解除後の現在に刺さる風刺作だった

緩やかに日常を取り戻しつつも、自粛ムードは続く情勢。それでも緊急事態宣言の解除を受けて、コロナ禍の影響を受けていた映画業界も徐々に動きを見せてきた。公開が延期されていた新作の公開日発表や映画館の営業再開など、映画ファンとしては嬉しい知らせ…

『チェンソーマン』のページをめくる手がチェンソーの如く止まらない

『チェンソーマン』が面白い。藤本タツキ先生原作の本作は週刊少年ジャンプで連載中で、「このマンガがすごい!2020」オトコ編4位に選ばれるなど今勢いのある作品だ。 タイトルは度々目にしていたこともあり、ふと思い立って1巻を手にとってみたわけだが、ペー…

UVERworldの入門編プレイリスト15曲を寝ないで考えてみた

ここのところ色々なアーティストの音楽に触れてみようと、これまで聴いてこなかった曲を意識的に再生するようにしているんです。 選曲については「このアーティストの曲を聴いてみようかな…」と感覚的にチョイスしているだけなのですが、そもそもどの曲から聴…

公開予定の映画20作品へ期待を寄せて

まだまだ予断を許さない状況ではありますが、緊急事態宣言の解除を受けてこれまでの日常が少しずつ戻ってくる希望が見えてきたような気もします。自分自身、家で過ごすことにストレスを感じないタイプの人間なのでコロナ禍においてもそれなりに在宅ライフを…

井上織姫が照らす『BLEACH』の世界について

最近は普段に比べて時間に余裕があるので、漫画を読む時間が増えてまして。何度目になるか分からないのですが『BLEACH』を読み返しています。 いつだって熱を持って没頭できる漫画が自分にとっての『BLEACH』なんですけど、それにしたって井上織姫って最強じ…

『ランウェイで笑って』に感じる、夢の途中にある男女の「本気の生き方」の眩しさ

「週刊少年マガジン」2018年25号より 『ランウェイで笑って』のアニメを観てからいても立ってもいられなくなって現在発売されている原作15巻まで読み進めたところ、感情の波がどんどん押し寄せてきてエモーショナル溢れる作品に唸らされている。 原作は週刊…

『トイ・ストーリー4』はシリーズを否定するほどの駄作なのだろうか

僕自身ディズニーやピクサーの作品で育った人間ではないのだけれど、その精巧な作りに加えて笑いも涙も誘う『トイ・ストーリー』シリーズは小さい頃から何度も繰り返し観てきた。そんな馴染みのある作品だ。 『トイ・ストーリー4』の制作が発表された時、世…

自粛期間に想いを馳せる貴方の名はあいみょん

音楽を聴く時はほぼ同じアーティストのリピートばかりの僕が、疫病の蔓延による緊急事態宣言が出る前くらいからそれをしていない。 というのも、結局のところイヤホン越しに聴く音楽はどうしたって生音で体感したいと思ってしまうので、ライブやイベントがバ…

フェーズ4の公開日変更も決まったことだしMCU俳優主演のおすすめ映画5本を紹介する

何かと理由をつけてMCU出演俳優が主演を務めるおすすめ映画を紹介するコーナー第2弾のお時間が今日もやってまいりました。 先日、MCUフェイズ4の1作目にあたる『ブラック・ウィドウ』の公開延期を受けてシリーズ出演の俳優陣の主演映画を5本ピックアップした…

『タイラー・レイク -命の奪還-』感想/ひとりの傭兵が戦う先は罪からの解放

『アベンジャーズ/エンドゲーム』のアンソニー&ジョー・ルッソがプロデュース、MCUではソーを演じたクリス・へムズワースが主演として話題の『タイラー・レイク -命の奪還-』がNetflixにて配信となった。 このような情勢ということもあって新作映画が次々…

『イエスタデイをうたって』とかいう沼アニメにハマってしまったので助けてほしい

2020年4月からアニメの放送がスタートした『イエスタデイをうたって』。 冬目景先生のマンガが原作の、若者の感情の揺れを繊細に描いた青春群像劇だ。 タイトルは知っていたものの恥ずかしながら読んだことのなかった作品だったので、これを機に作品に浸って…

自宅で旅行気分を味わいたいあなたにおすすめのロードムービー10選

自宅で過ごす時間はまだまだ続きそうな今日この頃。きっと連休の予定を延期したりキャンセルしたりという方も多いのではないでしょうか。 気分が落ち込みがちになりますがそんな時だからこそ笑って過ごしたいよね、ということで先日おすすめのコメディ映画を…

『ジョン・ウィック:パラベラム』で愛の記憶のために生きる男のスタイリッシュさが桁違い

研ぎ澄まされたアクションの数々で話題を呼んだ『ジョン・ウィック』シリーズの3作目となる『パラベラム』を公開直後以来に鑑賞したのだけれど、テレビサイズの映像でさえ溢れんばかりの魅力に感嘆してしまった。 妻を病気で失い、愛犬を殺され、何も残って…

UVERworldの「オタク祭り」を死ぬまで思い描く男

僕が好きなアーティストにUVERworldってロックバンドがいるんですけどね。 彼ら、男性限定ライブ「男祭り」を敢行したりしてファンのほとんどが女性だっていうデビュー当時のイメージを覆しているのですが、案外アニメタイアップが多いんですよ。 「男祭り」…

こんな時だからこそ笑いたい人へのおすすめコメディ映画10選

色々と自粛ムードの中で、家で時間を持て余したり、やりたいことが出来ずにストレスを感じる人も多いと思うんですよ。 逆に普段やらないことや、後回しにしていたことに手をつけてみようかななんて思ったりもするんですけど、最近はもっぱら自宅で映画を観る…

初めての4DXで尻がトランスフォームした話

4DXで映画を観たことは1度しかない。 通常の2Dと違い、4DXは映画のシーンに合わせてモーションシートが動き、水や風が吹きつけるほか、匂いや煙りまでもが出て作品を演出する。まさにアトラクションのような体感型映画を実現させるわけだが、日本の映画館に…

『ブルーピリオド』7巻感想/これまでを振り返って立ち止まるその先に希望を感じたい

先日一気読みして感銘を受けた漫画『ブルーピリオド』の7巻が発売となったので、さっそく読んだ。そして泣いた。 やはり読ませる物語というのは山があれば谷もあるし、波が寄せては返す、そんなもので。 主人公・八虎が絵に魅せられてその世界に身を投じてか…

『ブルーピリオド』6巻までの感想/絵の世界に身を投じ情熱を燃やす若者達に魂が震える

ずっと気になっていた『ブルーピリオド』がこの度マンガ大賞2020にて大賞を受賞されたとのことでこれを機に読んでみることにしたのだけれど、ページをめくるスピードが落ちることなく最新刊6巻まで一気読みしてしまった。面白い。それはもう、圧倒的に。 マ…

『ブラック・ウィドウ』公開延期の悲しみに暮れながらMCU俳優主演のおすすめ映画5本を紹介する

コロナウイルスの影響で公開延期となる大作映画が続々と出ていた中でついに『ブラック・ウィドウ』もその煽りを受けることが決まり、悲しみのあまりキャプテン・マーベルに助けを求めています。 (c)Marvel Studio 2019 まぁ延期は目に見えていたこともありMC…

なぜ『ミュウツーの逆襲 EVOLUTION』は『ポケットモンスター キミに決めた!』になれなかったのか

今夏公開予定の『劇場版ポケットモンスター ココ』の情報が続々と出てきている。 完全オリジナルとなる新作映画にはやはり期待してしまうと同時に、個人的には昨年のリベンジを果たしてもらいたいという思いが強い。 それほどまでに、昨年公開した『ミュウツ…

「期待しすぎてしまうこと」が怖い

昔から物事に対するハードルの上げ下げが極端でして。 下げる分には失望することも少ないが、上がったハードルを超えてくることというのはやはり難しい。ハードル上下の幅が広いとなおさらだ。 評判が良いととにかくハードルがぐんと上がり、いざ触れてみる…

『劇場版 SHIROBAKO』で宮森がヨーソローする姿に同世代として感銘を受けずにはいられない

先週のことにはなるが、劇場版『SHIROBAKO』を観てきた。 テレビシリーズを見返して学生時代の放送当時に胸を熱くしていたことを思い出しつつ、社会人としてキャリアを積んでいる最中の現在だと見方の幅が広がったことを実感する。自身が働く者として作中の…

劇場版公開を前に『SHIROBAKO』を見返して感じた、仕事に情熱を燃やす人の美しさ

劇場版の公開を前に『SHIROBAKO』を見返したのだけれど、当時テレビ放送をしていた頃と自分の見方がまるで変わっていて驚いた。 放送当時は本作の主人公・宮森あおいが武蔵野アニメーションの制作進行として作品を完成させるまでの目まぐるしい展開に一喜一…

久しくアニポケを観ていない人にこそ新シリーズを観てほしい

2019年11月よりアニポケの新シリーズが始まった。 所々で原点回帰している様を見せながらもポケモンの歴史を経ても失われることのない「新しさ」が詰まった物語に、毎週圧倒されている。 Nintendo Switch用ソフト『ポケットモンスター ソード・シールド』の…

『ストレンジャー・シングス』感想/友達は嘘をつかないし世界中での人気も嘘をつかない

©NETFLIX 日本にも人気の波が定期的に押し寄せてくる海外ドラマ。『フルハウス』や『24 -Twenty Four-』、『ゲーム・オブ・スローンズ』など根強い人気を誇る作品は、本編を観ていなくとも名前くらいは知っているという人も多いのではないだろうか。 今でこ…

『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』感じたのはフォースではなく、大人気作品が受け入れ難い展開をしてしまう悔しさだったという話

僕の中で『スター・ウォーズ』シリーズというと、映画界における帝王の位置付けにあたる。それは世界中での圧倒的な人気っぷりやファンの持つとてつもない熱量、それを証明する桁違いの興行収入など、様々な要因によるものであり、小さい頃からのイメージで…

私的2019年映画ランキング:ベスト10

2019年も様々な素敵な作品に出会うことができました。洋画ばかりに目がいくこともあって結局のところ劇場鑑賞は週1ペース程度でしたが、観たいと思っていた作品はほぼ鑑賞できたのではないでしょうか。 今年は『アベンジャーズ』『スター・ウォーズ』といっ…

“MCUのスパイダーマン”の魅力が留まるところを知らない

©2019 Sony Pictures Digital Productions 2019年の映画ベスト10をまとめている最中なのですがその前に、今年最も感情移入してしまったキャラクターについて話をさせてほしい。 ピーター・パーカー。後にスパイダーマンとしてヒーローの道を歩む彼がたまらな…

映画『ジョーカー』の大ヒットにアーサーの笑い声が聞こえる

すっかり年の瀬だが、2019年の映画界において印象的だった作品を思い返してみると、やはり『ジョーカー』は外せない。楽しいとか面白いとかそういった感情ではなく、とにかく頭の隅に居座られているような感覚。鑑賞後の感情をどこかにぶつけたくて誰もがネ…